うさぎの軟便、下痢、盲腸便の違い。軟便や下痢になぜなる?原因と対処法もご紹介

2023.05.13

うさぎの軟便、下痢、盲腸便の違い。軟便や下痢になぜなる?原因と対処法もご紹介

うさぎは不調を隠す生き物です。ですが、うさぎの体は嘘をつきません。うさぎの体調を知るにはウンチの状態を見ることです。うさぎのウンチは健康的なコロコロウンチの他に軟便、下痢、盲腸便の3つあるのをご存じでしょうか。この記事では、それぞれの違いと下痢になってしまったときの対処法も一緒にご紹介します。

【目次】
1.うさぎの下痢と軟便、盲腸便の違い
 1-1.うさぎの下痢
 1-2.うさぎの軟便
 1-3.うさぎの盲腸便

2.うさぎが軟便や下痢をしてしまう原因
 2-1.環境
 2-2.不正咬合や食事内容の問題
 2-3.毛球症によるもの
 2-4.クロストリジウム性腸炎(腸毒素血症)などの感染症

3.うさぎにとっての下痢は命に関わることも
 3-1.子うさぎは特に注意が必要

4.うさぎが下痢をしている時の対処法
 4-1.対処法①水分補給をさせる
 4-2.対処法②おしりをこまめに拭く
 4-3.対処法③ペットヒーターで温める
 4-4.対処法④ストレスの原因を改善する
 4-5.食事を摂らない、元気がない状態が続くなら、病院へ

 5.まとめ


うさぎの下痢と軟便、盲腸便の違い

うさぎ

うさぎの体のバロメーターであるウンチ。ウンチをみればその日の体調がわかるといっても過言ではないくらい大事なものです。

健康的なウンチは、コロコロと丸く、大きさが均一ですが、健康的なウンチによく似た盲腸便もあり、うさぎのウンチの違いがよくわからないというかたは多いのです。
うさぎの不調を見逃さないようにそれぞれのウンチについてしっかり把握しておきましょう。

ではさっそく、下痢、軟便、盲腸便の違いについて説明していきます。

◆うさぎの下痢

うさぎの下痢は、ほかの便に比べるとわかりやすいでしょう。水状や泥状で、水っぽく形のないウンチです。トロッとしていることもあります。

下痢の色は、こげ茶、赤色、灰色であることが多いです。赤色の場合は血が混じっていることも考えられるので必ず病院へ連れていきましょう。

うさぎは食糞をする動物なのですが、下痢のときのウンチは食べません。下痢は独特なニオイがするので、近づくのも嫌がります。
下痢みつけたときはすぐに片付けてあげてください。不衛生な状況はより体調を悪化させます。

下痢とともにうさぎはお腹を痛がることも多く、背中を丸めていたり、耳をたてながら荒い呼吸をしているときはお腹が痛いサインですのでよく観察してみてください。

◆うさぎの軟便

健康的な便のように見えて、潰すと簡単に潰れてしまう便が軟便です。

文字通りなのですが実際、普通のウンチと見間違えることが多く、不調に気づくのが遅れてしまうことがあります。

軟便は盲腸便にも一見似ているので、飼い主は迷うことも多いです。はっきりさせたいときは、ウンチを潰してみるのが一番わかりやすい方法です。
軟便ならば、ドロドロに潰れますが健康的な便や盲腸便は潰れません。

軟便は下痢のような危険な状態ではないので焦る必要はありませんが、胃腸の働きが低下しているサインには変わりないのでよく様子を観察しておきましょう。

◆うさぎの盲腸便

軟便と間違えやすいウンチがこの盲腸便です。

粘液に包まれていて、ブドウの房状のような形をしているのが特徴的です。
盲腸便には、微生物やたんぱく質、ビタミン類が非常に多く含まれていて、うさぎが生きていく上で欠かせない栄養がたくさん詰まっています。

うさぎがおしりに口をつけて食糞をするときのウンチがこの盲腸便なので、飼い主でもあまり盲腸便を見たことがないかもしれませんね。
栄養が十分に足りていたりすると盲腸便を食べないうさぎもいるので、ケージ内に盲腸便が落ちていることがあり、軟便と間違えることがあるのです。

初めて食糞している姿を見た人は驚いたかもしれませんが、うさぎが自分のウンチを食べる行為は正常ですので安心してください。食糞をしないほうが心配です。
うさぎを太らせてしまうと、お肉が邪魔をして盲腸便をうまく食べられないことがありますので太らせすぎには注意しましょう。

高タンパクな食事をしているうさぎも、盲腸便を食べなくなるといわれていますので食事内容にも配慮が必要です。


うさぎが軟便や下痢をしてしまう原因

遺伝的にお腹を壊しやすいうさぎはいます。ですが、環境や食事などが影響して軟便や下痢になることが多いので、考えられる原因をそれぞれみていきましょう。

◆環境

人間と同じように、うさぎも心身に負担がかかると胃腸の動きが悪くなり、便通が乱れ軟便や下痢をします。

引っ越しなどでうさぎの飼育環境が変わることや、室温が急激に変化するだけでもうさぎはストレスで体調を崩すことがあります。

うさぎはもともとストレスを感じやすい生き物です。ストレスを感じるのは本能といっても過言ではありません。
音や光、ニオイにもとても敏感です。特に魚の焦げたニオイやタバコのニオイを非常に嫌がります。

また、うさぎは寂しがり屋という言葉を聞いたことがあるでしょう。うさぎは孤独や退屈を感じると命を落とすことがあります。

このように人間にとっては些細なことでも、うさぎにとっては大きなストレスになっていることがあり、食欲不振から腸内環境が乱れ、軟便や下痢をしてしまうのです。

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◆不正咬合や食事内容の問題

うさぎがなりやすい病気の1つに不正咬合があります。

不正咬合は歯が伸びすぎてしまい噛み合わせに悪影響が出ている状態です。

本来ならうさぎは繊維の多い草を食べることで自然と歯が削れるものなのですが、何らかの理由で歯がうまくすり減らなくなり伸びすぎてしまうと不正咬合になるのです。
不正咬合は前歯でも奥歯でもなるから注意して歯のチェックを行いましょう。

なぜ不正咬合が軟便や下痢の原因になるのかというと、不正咬合になると痛みが出ることがあり、食欲不振につながり、結果として胃腸の不調をきたすのです。
うさぎのウンチが小さくなる、ウンチの量が減る、下痢が続くなどがあれば一度不正咬合を疑いうさぎの口内をチェックしてみてください。

不正咬合などがなく頻繁に軟便や下痢をするうさぎは、食事内容がうさぎに合っていないということもあります。

与えるエサを変えてみたら便通が改善したケースもありますのでエサの見直しも検討しましょう。
食事量が十分でも、繊維不足かもしれません。便通が整っているうさぎと軟便と下痢をするうさぎを比べると圧倒的に牧草や乾草が足りないケースがほとんどです。

繊維の多いエサは不正咬合の予防にもなりますので繊維を多く含むエサを積極的に与えましょう。
繊維の多いエサを十分に与えているにも関わらず軟便や下痢をするうさぎは、フードそのものが影響していることがあります。

フードに含まれる、防腐剤や香料がうさぎに合わないことがあります。
大きな異常がないにも関わらず、うさぎの便通が整わないときはフードを見直すの1つの策です。
フードはいつも新鮮なものを与えましょう。大容量のものは安くてつい購入しがちですが、開封するとどうしても酸化していきます。

酸化したフードはうさぎの胃腸に負担をかける恐れがあるので、短期間で使い切れるサイズのフードがおすすめです。

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◆毛球症によるもの

毛球症は食滞や消火器機能低下症候群とも言い、うさぎの胃腸の動きが悪くなることです。

うさぎが毛繕いをして大量に毛を飲み込んだり、部屋のカーペットなどを誤飲することで毛球症を誘発します。

異物が胃腸に入り込み、うっ滞を起こし、胃腸の動きが著しく低下すると、不正咬合のように食欲不振やウンチが小さくなる、ウンチの量が減る、下痢などの症状が表れるのです。
毛球症がひどくなるとウンチが全くでなくなり、食事が取れなくなることもあり命に関わってきます。

◆クロストリジウム性腸炎(腸毒素血症)などの感染症

うさぎが何らかの感染症に感染しているときも軟便や下痢をします。

代表的なのが、クロストリジウム性腸炎です。腸毒素血症とも言います。

クロストリジウム性腸炎は、健康なうさぎの腸にもともと存在するクロストリジウム菌が異常増殖して発症する病気です。
異常増殖したクロストリジウム菌はエンテロトキシンという毒を作り、この毒の影響でうさぎは下痢をしてしまうのです。

不適切な食事やストレスにより発症することがわかっています。また、うさぎの体に合わない抗生物質の使用もクロストリジウム性腸炎の発症要因です。


うさぎにとっての下痢は命に関わることも

うさぎの下痢

人間は下痢で命をすぐに落とすことはほとんどありませんが、うさぎの場合は別です。

うさぎにとっての下痢は命に関わる重大な症状ですので注意しましょう。

◆子うさぎは特に注意が必要

成うさぎは免疫力も消化機能も十分に発達していますが、子うさぎはまだ十分に発達していません。

子うさぎは体力もまだなく、そんなか弱い状態で下痢が続けば最悪の場合命を落とすことがあります。4ヶ月齢以下の子うさぎが下痢をすると急死することも多いといわれています。

4ヶ月齢以下の子うさぎが下痢で命を落とす原因の1つに、感染症の一種であるコクシジウム感染症という病気が関係しています。
このコクシジウム感染症は、子うさぎがかかりやすい感染症なうえ、感染すると重篤な症状を引き起こすのです。

成うさぎがコクシジウム感染症にかかっても無症状なのですが子うさぎにとってはとても危険な感染症ということを覚えておきましょう。
子うさぎの下痢予防は、誕生後もできるだけ長く母うさぎのもとで暮らし、母乳を飲ませてあげることです。


うさぎが下痢をしている時の対処法

うさぎが下痢をしているときは以下の4つの対処法を試してみてください。

◆対処法①水分補給をさせる

下痢は水分をたくさん奪います。なので下痢をしていてもしっかりうさぎに水分を与えましょう。

脱水は人間も命の危機があるように、うさぎにとっても非常に危険な状態になります。
下痢のときはペット用のイオン飲料水を与えるのもおすすめです。

水分は一度にたくさん与えてしまうと下痢を誘発しますので、少しずつ、こまめに与えましょう。

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◆対処法②おしりをこまめに拭く

下痢のときはおしりが汚れるうさぎが多いです。

ウンチがおしりについたままでは皮膚炎など皮膚疾患になってしまう恐れがありますので、汚れていたらこまめに拭き取ってあげましょう。
ケージ内はいつも衛生的にしておくのも下痢を悪化させない方法です。

◆対処法③ペットヒーターで温める

おしりや体をこまめに拭いていると、少しずつ濡れてうさぎの体温が下がります。

下痢自体もうさぎの体温も奪いますので部屋全体を暖めるか、うさぎのいるケージにペット用ヒーターを置いてうさぎの体を温めてあげましょう。
体を温めると胃腸の動きもよくなるので下痢が緩和することもあります。

温めるときは、ケージの中で暖かい場所とそうではない場所を用意してあげるとうさぎがより快適に過ごせます。

◆対処法④ストレスの原因を改善する

ストレスを感じていると交感神経が優位になり、胃腸の動きが低下しますのでできるだけうさぎのストレスになりそうなモノを排除しましょう。

例えば、人間の生活音がよく響く場所にうさぎのケージがある場合は、うさぎを適度に静かな部屋に移動するのもよいです。
飼い主が忙しくてあまり触れあっていなければスキンシップを増やしてあげましょう。

できるだけうさぎがリラックスできる空間や時間を与えられる工夫をしてみてください。

◆食事を摂らない、元気がない状態が続くなら、病院へ

下痢に続き、食事を摂らなかったり、ぐったり元気のない時は早急に病院へ行きましょう。

うさぎは体調が悪くても隠す生き物です。
下痢という形ではっきりわかる症状がでているということは、既に危険な状態かもしれません。

病院では、いつから下痢が始まったのか、1日何回下痢をするのか等細かく状態を伝えましょう。
下痢の様子を写真に残して病院で見せると診断がよりスムーズになるので、記録してみてください。


まとめ

いかがでしたか。うさぎのウンチの違いと下痢について紹介しました。うさぎの下痢は命に関わる非常に怖い症状ではありますが、食事内容や環境の改善でうさぎの便通が改善することもあります。今回の内容を参考に試してみてください。判断に迷ったときやうさぎのウンチがいつもと違うなと感じたときは早めに病院で診てもらいましょう。



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今まで飼育したペットは、アヒル、ニワトリ、うさぎ、ハムスター、カメ、犬 と多種にわたります。飼育経験を生かしみなさまのペットに役立つ情報を正し く、わかりやすくお伝えしていきます。


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