カブトムシの人気種類を紹介!特徴や飼いやすい種類は?

2023.06.17

カブトムシの人気種類を紹介!特徴や飼いやすい種類は?

夏の人気者カブトムシ。子供の好きな虫ランキングではクワガタと並んで常に上位に入っていますよね。近年ではヘラクレスオオカブトに代表されるような外国産のカブトムシも手に入りやすくなり、大人の愛好家も増えています。今回は、日本で人気のあるカブトムシの種類とその特徴を幅広く紹介します。


カブトムシの基本的な習性

◆カブトムシの種類は1300種以上

カブトムシはその名の通り、オスに鎧兜のようなツノがある甲虫です。”昆虫の王様”と呼ばれ、昔から大人にも子供にも大人気ですよね。
なんと世界には1300種類以上のカブトムシがいると言われています。個人の愛好家も多く、自宅で繁殖させた幼虫や成虫がオークションなどで売買されているのもよく見かけます。特に大きく立派なツノの個体を育てるのは難しく、ヘラクレスオオカブトが新車の値段で取引された例もあるそうです。
ちなみに日本のペットショップやホームセンターなどでよく売られているのはヤマトカブトムシという日本の国産種です。元々は北海道以外の地域で広く生息しており、北海道にも本州から持ち込まれて定着しました。子供の頃に山へ採集に行った人も多いのではないでしょうか?

◆カブトムシの寿命

そんなカブトムシですが、実は短命な昆虫なんです。
せっかく捕まえてきたカブトムシが飼いだした途端に亡くなってしまった!という悲しい経験はないでしょうか?日本のカブトムシの成虫は、上手に飼育しても約2~3カ月しか生きないと言われています。
初夏に蛹から羽化し、晩秋の頃には卵を残して生涯を終えるのが一般的です。クワガタの中には越冬する種類もいますが、基本的にカブトムシは越冬ができません。
そのため、ペットとして可愛がるのであればぜひ幼虫のうちから育ててみる事をおすすめします。丸々と大きく育った幼虫が蛹になり、成虫として土から出てくると感動しますよ!


カブトムシの種類

◆国産カブトムシ

国産カブトムシ

日本でカブトムシと言えばヤマトカブトムシという種類になります。体長はツノを含めて60~80mmほど。羽の色は黒や茶色が一般的ですが、稀に赤味の強い色彩変異個体もおり、アカカブトと呼ばれて人気があります。外国産の種類に比べると小柄ですが、とっても力持ち。カブトムシ同士を戦わせると、自分の倍以上もあるヘラクレスオオカブトをそのツノで投げ飛ばして勝つこともあります。
ヤマトカブトムシは日本の里山で採集できるほか、店頭や通販で安価に購入できます。温度管理の必要がなく、繁殖も容易のため非常に飼いやすい種類と言えるでしょう。

◆ヘラクレスオオカブト

ヘラクレスオオカブト

世界最大のカブトムシとして大変人気のある南米原産のカブトムシです。オスのツノを含めた大きさは150mmほどと国産カブトムシの約2倍!最大180mmの個体もいるというから驚きです。
羽はツヤのある黄土色で、黒い斑点があります。国産カブトムシと比べるととっても派手ですね。ヘラクレスオオカブトの羽は、湿度が高い環境では黒褐色に変わり、乾燥すると元の黄土色に戻るという面白い特徴があります。
またヘラクレスオオカブトには沢山の亜種がおり、ツノの形状など変異での個体差も大きいため世界中にコレクターがいます。
幼虫の期間は飼育下で1年半ほどと長く、また成虫になっても1年~1年半と長生きします。23℃前後の温度管理が必要で、成虫になった後も成熟して子孫を残せるまでやや時間がかかります。

📌【おすすめ記事】世界最大のカブトムシ!ヘラクレスオオカブトの基本情報や飼育方法、その一生について解説

◆アトラスオオカブト

3本のツノを持ち、羽にメタリックな光沢があるのが特徴的な東南アジア原産のカブトムシです。大きいオスで100mmほどになる個体もいます。成虫の寿命は3~4カ月と国産カブトムシより若干長生き。
個体数が多く大量に出回っているため、外国産カブトムシでありながら比較的安価に販売されています。熱帯出身なのに高温に弱く、25℃前後の温度管理が必要です。

◆コーカサスオオカブト

コーカサスオオカブト

東南アジアに生息するアジア最大のカブトムシです。アトラスオオカブトと同様に3本のツノを持ち、羽の光沢もメタリックで似ていますが、体長は大きい物で120mmほどにもなります。闘争心が旺盛で、南米のヘラクレスオオカブトと並んで世界最強と謳われています。
とても人気のある種類ですが、原産国が近いため販売価格は安めです。しかし、サイズが100mmを超えてくると高額になるようです。
コーカサスオオカブトも高温に弱く、25℃前後の温度管理が必要です。

◆エレファスゾウカブト

アメリカ大陸に生息し、世界一体重の重いカブトムシと呼ばれています。小さなツノと長い足を持ち、茶金色の細かい毛が体を覆っいる可愛らしいカブトムシです。ゾウカブト属の中には全く毛の生えていない種類もいますが、カブトムシ界でゾウカブトと言うとエレファスゾウカブトを指す場合が多いようです。
ツノが小さめのため体の長さは70~120mmほど。しかし体重と体積だけならヘラクレスオオカブトを超えるほど大柄です。見かけに反して、性格は大人しい個体が多いようです。
幼虫の期間がとても長く、成虫になるまで1年半~2年ほどかかります。成虫の寿命は3~6カ月ほど。
販売価格は比較的お高めで、23℃前後の温度管理が必要です。

◆シロカブト

その名の通り白っぽい色の体を持つカブトムシです。ティティウスシロカブトやヒルスシロカブト、グラントシロカブトなどたくさんの種類がおり、体色が白や黄味のカブトムシの総称として”シロカブト”と呼ばれることが多いようです。アメリカ大陸に生息しており、体長はオスで70~80mmほど。南米産カブトムシに比べると小さめではあるものの、その独特の美しい色合いと希少性からマニアに人気があります。
成虫の寿命はティティウスシロカブトで8カ月ほどとやや長め。冬季も20℃以上に温度管理が出来れば、飼育はそれほど難しくありません。


日本に生息しているカブトムシの種類

◆ヤマトカブトムシ

国産カブトムシとして広く知られているのがヤマトカブトムシです。日本の里山で採集できるカブトムシも殆どがヤマトカブトムシと言えます。
体長はツノを除いて30~55mm、ツノを入れると80mmを超える個体もいます。黒茶色の甲冑をまとったような姿は、戦国時代の武将を彷彿とさせますよね。
羽が赤茶色の個体がアカカブトと呼ばれて珍重される他、最近ではレッドアイやホワイトアイといった特殊な目の色を持つ個体も販売されています。

◆オキナワカブト

沖縄産のカブトムシで、ヤマトカブトムシよりも羽の光沢が強く、ツノが短いです。体長もヤマトカブトムシより一回り小さめ。本土から持ち込まれた種との交雑が進んでおり、純粋なオキナワカブトは大変貴重です。生息域の減少から、沖縄では現在採集が条例で禁止されています。
流通している個体は、採集禁止前に捕獲された個体をブリーダーが繁殖させたものなので条例違反には当たりません。
沖縄にはクメジマカブトやツチヤカブトといったオキナワカブトとよく似た亜種が複数生息しています。

◆サイカブト

別名タイワンカブトとも呼ばれ、台湾からの外来種が沖縄に定着したものと言われています。体長は45mm程と小柄で、サイのような湾曲した短いツノが特徴です。
沖縄のサイカブトも規制が掛かっており、ネットショップなどで流通しているのはインド産のイリガーサイカブトになります。


飼いやすいカブトムシの種類はなにか

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◆飼いやすさのポイントは4つ

沢山の種類があるカブトムシですが、初心者にも飼いやすいカブトムシの種類はどれでしょうか?
飼いやすさのポイントは主に4つあります。

①卵から成虫までのサイクルが早い
②幼虫が大きく育ちやすい
③繁殖しやすい
④温度と湿度の管理が楽

例えばゾウカブトやヘラクレスカブトは幼虫から成虫になるまで約1年半~2年間ほど掛かります。また、幼虫を大きく育てるために栄養価の高い発酵マットが必要となり、初心者さんには管理が大変!
さらにコーカサスオオカブトのような凶暴な気質の種類だと交尾の際にメスと喧嘩をしてしまって繁殖が難しい!
さらに、前述した通り殆どの海外産カブトムシは温度管理が必要です!

◆飼いやすさダントツの1位は国産カブトムシ

日本の高温多湿の夏にも耐えられ、寒さにも強いのが国産カブトムシことヤマトカブトムシです。特別な温度管理を必要としないので、直射日光の当たらない屋内ならば大体どこでも飼育できます。
繁殖力が旺盛なので、オスとメスのペアを一緒のケースで飼っているだけで産卵してくれます。
加えて幼虫の飼育もとっても簡単。適当な腐葉土や安価なマットでもそこそこ大きなサイズのオスを羽化させることが可能です。間違いなく初心者さん向きの種類と言えるでしょう。

◆はじめての外国産カブトムシはアトラスオオカブトがおすすめ

国産カブトムシほど簡単ではありませんが、アトラスオオカブトも外国産カブトムシの中では飼育しやすい種類です。外国産カブトムシの入門とも言われますので、初めて外国産に挑戦する方におすすめです。
幼虫、成虫ともに20~25℃前後の温度管理が必要ではありますが、それさえ守れば産卵も幼虫飼育も難しくありません。
ただ攻撃性が強くオスの気性が荒い種類なので、多頭飼いには向きません。気に入らないメスを殺してしまう場合もありますので、オスとメスのペアで購入しても交尾させる時以外は別々のケースで飼いましょう。

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まとめ

馴染み深い国産カブトムシと個性的な外国産カブトムシ、それぞれに魅力がありますね。成虫、幼虫ともに日本でも様々な種類が販売されています。
ひとくちにカブトムシといっても、幼虫の期間や繁殖のしやすさなどが種類によって大きく異なります。特に外国産種のカブトムシを大きく育てるのは難しく、一筋縄ではいかない所もカブトムシ飼育の面白さと言えるでしょう。
ぜひお気に入りの種類を見つけて、カブトムシ飼育を楽しんでみてください。



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