1.フェレットの最適な温度・湿度
1-1.温度と湿度をキープしないといけない?
2.フェレットの身体の仕組み
2-1.汗をかかない
2-2.体温調整が下手
【掲載:2023.12.10 更新:2024.06.18】
フェレットの最適な温度・湿度
まずはフェレットに最適な温度や湿度がどれくらいなのか見ていきましょう。
◆温度と湿度をキープしないといけない?
フェレットが快適に過ごせる温度は15度〜24度と言われています。
なんとも絶妙な温度で、寒さにも暑さにも注意しなければいけないことがわかりますね。
年間を通して一定の温度になるように、エアコンなどを上手に活用しなければなりません。
また、湿度の調整も重要です。
フェレットは湿度が高いと熱中症になりやすく、湿度が低いと乾燥によって何らかのトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
フェレットにとって最適な湿度は40~60%程度なので、季節によって除湿器と加湿器を使い分けましょう。
正直なところ「動物の飼育に温度管理が必要なのはなんとなく分かるけど、湿度までキープしないといけないの?」と思った方はいませんか?
もちろん、温度管理だけで快適に過ごせる動物もいますが、フェレットの場合は湿度管理も大切です。
「温度が適切だから大丈夫でしょ」と軽く考えているとフェレットの健康に悪影響が出てしまう恐れがあります。
温度と湿度の両方を適切な値でキープできるよう工夫してくださいね。
フェレットの身体の仕組み
フェレットの飼育ではなぜ温度と湿度を管理しなければならないのでしょうか。
その答えはフェレットの体の仕組みにあります。
◆汗をかかない
フェレットをはじめ哺乳類の動物のほとんどには汗腺がなく、汗をかきません。
たしかに犬や猫が汗をかいているところを見たことがないですよね。
人間の場合は暑くなると汗をかいて放熱し、風を浴びることで涼しさを感じることができます。
しかし、フェレットなど汗腺のない動物は自分で放熱できないため扇風機などで風を当てられても涼しいとは感じられず、お部屋の温度や湿度自体を調節しないと暑さが続いてしまいます。
人間の感覚で暑さ対策をしているとフェレットの命に関わるリスクがありますので、「フェレットは汗をかかない」「風を当てるのは意味がない」という点はぜひ覚えておいてください。
そもそも、人間の平均体温が36.5度前後であるのに対し、フェレットの平均体温は37.8度〜40.1度くらいと比較的高いです。
そのため、飼い主さんとフェレットでは暑さや寒さの感じ方が異なってくるのも仕方がありません。
人間が「少し汗ばむ気温だな」と感じている時、フェレットは「猛烈に暑い」と感じている場合があることを理解しましょう。
◆体温調整が下手
外気の温度が何度であっても体温を保つことができる性質を持つ動物を「恒温動物」と言います。
哺乳類の多くがそうであるように、人間もフェレットも恒温動物です。
たしかに、私たち人間はたとえ寒さや暑さを感じても、健康体である限り体温に大きな変化は見られませんよね。
一方で、フェレットは恒温動物であるにもかかわらず有効な体温調整方法を持っていないことで知られています。
先述した通り、犬も汗をかくことのできない動物ですが、代わりに舌を出して「ハアハア」と息をすることで放熱することができます。
しかし、フェレットにはそうした体熱放散方法がないのです。
フェレットの祖先であるイタチは至る所に巣穴を掘り、移動しながら生活しています。
住環境を変えることで快適な暮らしを手に入れてきたため、体温調整の機能が発達しなかったのではないかと考えられます。
フェレットのケージには温湿度計を設置する
フェレットにとって最適な温度と湿度をキープできているか確認するには、ケージに温湿度計を設置すればOKです。
お部屋の中は位置によって温度が変わることが一般的です。
窓際の場合、夏は直射日光で高温になったり、冬は冷気で冷え込んだりといった温度差ができてしまいます。
また、エアコンの風が直接当たるような位置に温湿度計を設置した場合も、フェレットの体感と数字がずれてしまうでしょう。
ケージがある場所の温度と湿度をチェックすることが大切なので、ケージに温湿度計を設置してしまうのが最適なのです。
さらに、ケージを置く位置には注意してください。
先述の通り、窓際は温度が変わりやすいためフェレットのケージを設置するのには不向きです。
また、冷たい空気は下の方に、暖かい空気は上の方に溜まりやすい性質があるため、温度管理の観点からお部屋の中で極端に高さのある場所にケージを置くのも避けた方がいいでしょう。
直射日光やエアコンの風が直接当たらず、風通しの良い静かな場所に設置するのがベストです。
フェレットの温度管理方法
フェレットの飼育において温度と湿度の管理が重要であることは分かりましたが、具体的にどう対策すれば良いのでしょうか。
最後に、夏と冬に分けてそれぞれの温度管理方法をご紹介します。
ぜひ参考にして実践してみてくださいね。
◆夏の暑さ対策
繰り返しになりますが、フェレットは熱中症になりやすいので、暑い日は特に注意が必要です。
エアコンの設定温度を適切に保ち、ケージの周りに冷却材を配置することで効率的にフェレットの体感温度を下げることができるでしょう。
また、濡れたタオルや氷の入ったペットボトルをケージに置くことでも温度を下げることができます。
熱中症の初期症状には、「はぁはぁ」という呼吸や元気のなさが見られますので、これらの兆候がみられた時にはすぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
また、日本の夏はじめじめとしていて湿度が高いことでも知られます。
エアコンだけでなく、除湿機や扇風機、サーキュレーターなどを併用して湿度対策にも努めましょう。
扇風機やサーキュレーターのように羽がある製品を使うときには、フェレットが誤って触れて巻き込まれてしまわないように、設置位置には細心の注意を払ってくださいね。
さらに、人間と同じように、暑い夏場はフェレットにとっても水分補給が非常に重要です。
新鮮な水を常に提供し、フェレットが水分不足にならないように注意しましょう。
餌も夏の暑さで傷みやすくなってしまうので、新鮮な食材を選び、食べ残しはすぐに片付けるようにすることをおすすめします。
◆冬の寒さ対策
フェレットの寒さ対策としては暖房器具の使用やペット用ヒーターの活用はもちろんのこと、ケージを毛布で覆う方法が効果的です。
これにより、ケージ内の温度を一定に保つことができます。
または、ケージ内に毛布を入れるのも有効です。
ケージ内に毛布があればフェレットが自分で温度調節を行えるようになります。
また、日本の冬は乾燥しやすいので、加湿器を併用して湿度対策にも努めましょう。
お部屋に濡れたタオルを設置して自然乾燥させることでも乾燥対策になりますよ。
また、フェレットの寒さ対策には特定のグッズが役立ちます。
トンネルハンモックや封筒風ぬいぐるみ寝袋、湯たんぽ、小動物用ヒーターなど、近年は動物用のあったかグッズがたくさんあります。
ぜひペットショップなどでみてみてくださいね。
ただし、あったかグッズの長時間の使用は低温火傷の恐れがあり、大変危険です。
ヒーターはタイマーを使用する、直接触れないように布を当てる、熱いと感じたら逃げられるように暖かくない空間も用意するといった工夫が必要です。
また、暖房器具としてストーブを使用する場合は、頑丈なサークルで囲み、フェレットが触れられないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではフェレットにとって最適な温度と湿度について解説しました。
「温度と湿度の両方を管理しないといけないなんて手間がかかるな」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、フェレットのとって快適な環境は飼い主さんにとっても心地よく、過ごしやすいのではないでしょうか。
何より、フェレットの健康を守れるのは飼い主さんだけなので、より良い環境づくりのために努めてほしいところです。
この記事を参考にして、ぜひフェレットの快適空間づくりを始めましょう!
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