冬のハムスターにはヒーターが必要!種類、選び方、使うタイミングなど解説

2024.01.11

冬のハムスターにはヒーターが必要!種類、選び方、使うタイミングなど解説

ハムスターを飼っている皆さん、ハムスターの寒さ対策は万全ですか?ハムスターは寒さに弱いので、ケージには専用のヒーターを設置してあげましょう。「この前まで猛暑だったから」「今年は暖冬だから」などと油断していると急に温度が下がることがあるので、早めにヒーターの用意をおすすめします。この記事では、ハムスターにヒーターが必要な理由、ヒーターの種類と特徴、ヒーターを選ぶ時のポイントについて説明していきます。


ハムスターにヒーターが必要な理由

ハムスター

気温が下がる時期は、ハムスターの寒さ対策をしっかり行うことが大切です。お部屋の暖房に併せ、必要に応じてハムスターのケージもヒーターで保温をしてあげましょう。

近年は住宅の気密性や断熱性が高まっており、冬でも部屋が暖かいお宅も増えているようですね。それでも冬の間は、夜間、雪の降るような日に部屋やケージの温度がぐっと下がりやすくなるので、油断は禁物です。

それに、ハムスターもやっぱり暖かいほうが好きなようです。ハムスターのケージにヒーターをつけてあげると、ヒーターの近くで気持ち良さそうに暖を取る姿が見られますよ。

◆ハムスターは寒さに弱い

ハムスターにもヒーターが必要な理由は、ハムスターが寒さに弱いということにつきます。

ハムスターは寒さに弱く、体が小さくて温度変化の影響を受けやすいので、気温が下がると体調を崩しやすくなります。

また、暖房をしている部屋が人間にとって快適な温度になっていても、ケージ内には暖房が行き渡らないこともあります。そのため、ケージにヒーターを設置して確実に保温することが必要になるのです。

◆ハムスターの疑似冬眠を防ぐため

ハムスターはほかの動物と違って、気温が下がり過ぎると「疑似冬眠」を起こし亡くなってしまうことがあるので、特に寒さには気をつけなければなりません。

疑似冬眠とは、寒さが原因で低体温症を起こし、まるで冬眠しているように動かなくなる現象です。生命を維持する機能が低下して危険な状況に陥っているため、疑似冬眠に入ったハムスターを助けることは難しくなります。

ハムスターが疑似冬眠を起こす温度は、ゴールデンハムスターで10℃以下、ジャンガリアンやロボロフスキーなどのドワーフハムスターで5℃以下とされています。

お住まいの地域によっては冬場に室温がぐっと下がることがあるため、ハムスターを飼っているお宅では冷え込みに用心しなければなりません。

◆ハムスターの適温は20~26℃程度

ハムスターの飼育環境の適温は20~26℃です。

そもそもハムスターは体温調節が苦手で、寒くても暑くても体調を崩しやすくなります。ケージの温度が20℃以下になるとハムスターは寒さで動きが鈍くなり、26℃を超えると熱中症のリスクが高まります。そのため、一年を通して飼育環境を適温の範囲内に保つことが望ましいのです。

寒い時は部屋のエアコンやハムスター用のヒーターを適宜使い、一年を通してケージの温度20~26℃に保ちましょう。

なお、部屋の室温とケージ内の気温に差が出ることがあります。ケージにも温度計を設置して、ケージの温湿度をこまめにチェックすることをおすすめします。


ハムスターのヒーターはいつからいつまで必要なのか

気になるのが、いつからいつまでハムスター用にヒーターを使えばよいか、ということですよね。

飼育環境の適温は20~26℃なので、ケージ内やケージ周辺の温度が20℃を切りそうになったら、ハムスター用のヒーターを設置してケージを20℃以上に保温する必要が出てきます。

時期で言うと秋から春、これは地域やお住まいの環境によっても異なりますが、10月から5月頃まではハムスター用のヒーターを用意しておいたほうがよさそうです。

たとえば、真冬はお部屋をエアコンなどで暖房したうえでハムスター用のヒーターを併用し、お部屋の暖房が不要な秋と春は、ハムスター用のヒーターだけつける、といった形でケージ内を適温に保つことができます。

また、季節の変わり目、天気が不安定な時は日中の温度差が大きくなったり、急に冷え込んだりする日も出てきます。秋から春にかけては、想定外に夜間の温度が下がったり急に雪が降ったりすることもあるので、こまめに天気情報や空模様をチェックしながら寒さ対策をしていきましょう。

なお、秋口は急に寒くなってから慌ててヒーターを買うのではなく、早めにヒーターを準備して、いつでもヒーターが使い始められるようにしておくのが安心です。

また、春も急にヒーターを取り外すとケージの温度が急に下がってハムスターが体調を崩しやすくなります。徐々に暖房をゆるめて、ヒーターを使わない状態に体を慣らしていくのがよいでしょう。


【おすすめ】ハムスターのヒーター5種類

ハムスターの暖房には、ハムスターまたは小動物用のヒーターを使います。さまざまなタイプがあるので、その中で代表的なヒーターとその特徴を紹介していきます。

◆パネルヒーター

CASA マルチヒーター
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パネルヒーターは、ペット用ヒーターの中で最も一般的なタイプです。これは電源を入れると樹脂製のパネルが温かくなる小型の電気ヒーターで、ケージ内を部分的に温めるのに適しています。

メリットは、設置方法が簡単で、汚れても水拭きや水洗いで清潔に保てるところです。また、床に置いて使えるタイプはハムスターが直接乗って効率良く体を温めることもできます。

一方、体の同じ場所に長時間当てていると低温やけどが起こりやすくなる、というデメリットもあります。

ペット用のヒーターは、動物の安全性に配慮して高温にならない設計になっています。ただし、低温やけどは体温より少し高いくらいの温度でも起こり得るので、過信は禁物です。

たとえば、ハムスターが暑くなったら自分の意思でヒーターから降りられるならば、直接乗って利用しても大丈夫です。一方、あまり動けないハムスターの場合は、ケージの外に設置するタイプのほうが安心して使用できます。

◆フィルムヒーター

フィルムヒーターは薄いシート状の電気ヒーターで、小動物や爬虫類の保温によく利用されています。

フィルムヒーターは薄くて場所を取らず、ケージの下のすき間に敷いて使用できます。メリットは、床暖房のように下からハムスターを穏やかに温めるところ、ハムスターが直接ヒーターに触れないので事故やケガの心配がないところです。ただ、ケージの下にすき間がなければ使用はできません。

◆保温電球

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保温電球は電球の形をしたヒーターです。明るくならずに発熱し、ケージの上部に取りつけることでケージ内の空気を温めます。インコ、小鳥のひななどの保温にもよく使われていて、ひよこ電球とも呼ばれています。

メリットは、ケージ全体を効率良く温められる点です。多頭飼いをしていて広範囲を温めたい時に便利でしょう。ただ、保温力が高いため長時間使用するとケージ全体が暑くなりやすいというデメリットもあります。

もし暑くなった場合に涼む場所がないと、冬でもハムスターが熱中症になってしまいます。そのため、保温電球は向きや設置場所を調整しながら使う必要があります。

◆カイロケース

カイロケース ぽかぽか
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カイロケースは、中に使い捨てカイロを入れてケージを保温するアイテムです。

電気を使わないので、通院や引っ越しなどで移動する時の保温に重宝します。一方、使い捨てカイロは数時間しか温かさが持たないので、短時間しか使えないというデメリットもあります。

メインで使うヒーターというよりは、ヒーターの代替として用意しておくのがよいでしょう。電源がない場所、非常時の保温に重宝します。

◆ドーム型ヒーター

ハムスター用のヒーターには、パネルヒーターの上に屋根の付いたドーム型もあります。

ドーム型は、ヒーターを兼ねた冬用の巣箱や隠れ場として利用でき一石二鳥です。ハムスターは狭い所にもぐるのが好きなので、喜んで使ってくれる子が多いでしょう。ただ、中には警戒して中に入ろうとしない子もいます。


ハムスターのヒーターの選び方

床材に埋もれるハムスター

ハムスター用のヒーターにはさまざまな種類があるので、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。ヒーターはどのような観点で選べばよいのでしょう。

◆好みにあったタイプ

ハムスターのヒーターにはパネルヒーター、フィルムヒーター、保温電球などさまざまな種類がありますが、それぞれメリット、デメリットが異なります。

飼育環境、使いやすさ、飼い主さんの飼育歴にあわせてお好みのタイプを選ぶのがよいでしょう。

たとえば、使いやすさで選ぶなら、電源を入れるだけでケージの一部を適温に保つパネルヒーターやフィルムヒーターがおすすめです。

また、冷え込むことの多い環境では保温電球使うとケージ全体を効率良く温めることができます。ただ、保温電球は温度が上がりやすいので使い方が少し難しく、扱いに慣れている人、ハムスターの飼育歴の長い人に適しています。

◆自動温度調整機能が付いたもの

ハムスターのヒーターは「自動温度調整機能」が付いたものを選ぶと安全に適温を保つことができます。

自動温度調整機能とは、常に一定の温度になるよう自動的に温度を調整する機能のことです。自己温度制御(PTC)、サーモスタットなどがあります。

自動温度調整機能が付いているヒーターは、寒い時には発熱して温度を上げ、一定の温度まで温まると発熱を抑えて温度の上昇を防ぎます。高温になり過ぎるのを防ぎながら適温を保つので、つけっ放しにしていても温度が一定に保たれ、ハムスターの熱中症や火傷、高温による火事の心配がありません。

ちなみに、ペット用のヒーターには自動温度調整機能が付いているものが多いのですが、保温電球など一部のヒーターには温度を調整する機能がないものもあります。

商品によっても機能は少しずつ異なるので、ヒーターを選ぶ際はパッケージをよく見て、自己温度制御(PTC)、サーモスタットなどの機能を搭載しているか確認して選びましょう。

◆温度設定ができるもの

ハムスター用のヒーターは、電源を入れるだけで自動的に適温に温めてくれるものが多くなっています。

そのため、ヒーターを設置するだけでハムスターは快適に過ごすことができますが、より確実に温度管理をしたい場合には、自分で温度を設定できるものを選ぶのがおすすめです。

温度が選べるタイプには、パネルが高温と低温のリバーシブルになっているものがあります。リバーシブルタイプは、表と裏をひっくり返すだけで温度が変えられるので、寒さに合わせて手軽に保温ができます。

また、温度を指定して保温したい場合は、ダイヤル式など温度が数値で設定できるタイプがおすすめです。

なお、保温電球のように加熱するだけのシンプルなヒーターは、自動的に温度を調整する機能が付いていません。サーモスタットを別途に用意して接続すれば、暑くなり過ぎるのを制御して一定温度が保てるようになります。

◆消費電力が抑えられるもの

ハムスターのヒーターは、ケージ内の温度が下がるのを防ぐためつけっ放しにしておくのがベターです。しかし、そうなるとどうしても電気代が気になってしまいますよね。

実は、小動物用のヒーターはサイズが小さいので、消費電力はそれほど大きくありません。一般的なサイズのヒーター(消費電力20W)でも1か月間つけっ放しにして200円前後になるので、家計の大きな負担になることはないでしょう。

ただ節電も大切なので、できれば光熱費は少しでも抑えたいですよね。ヒーターは消費電力(ワット数)が大きくなるほど電気代も高くなるので、電気代を抑えたい場合は、ワット(W)の数値が小さいものを選ぶとよいでしょう。

ペット用ヒーターは6W~100Wくらいまでさまざまなサイズが展開しており、ハムスターや小動物には消費電力6W~25wくらいの小さなヒーターが適しています。

さらに自動温度調整機能が付いているものは、一定温度に達したら電流を弱める、電源をオフにするなどして暖め過ぎを防ぐようになっているので、節電効果も一層期待できます。パッケージをチェックし、省電力をうたっている商品を選んでみてください。


まとめ

ハムスターのケージにヒーターが必要な理由、ヒーターの種類と選び方のポイントについて説明いたしました。

ハムスターは寒さに弱い動物です。寒い時は床材にもぐって暖を取りますが、部屋が冷え込んだ時には体温が下がって体調を崩してしまいます。

ハムスターが快適で元気に冬を過ごせるよう、秋から春にかけてはハムスター用のヒーターを上手に使ってあげましょう。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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