1.タヌキの特徴
2.アライグマの特徴
3.タヌキとアライグマの見分け方
3-1.顔の模様
3-2.しっぽ
3-3.耳
3-4.手の形
3-3.性格
4.タヌキやアライグマに遭遇したら
4-1.むやみに近づかない
4-2.ペットとして飼育はできない
4-3.
5.まとめ
タヌキの特徴
タヌキは日本を含む東アジア原産の在来種で、哺乳網食目イヌ科タヌキ属に分類されます。
体長は約50〜70cm、体重は平均3〜5kgと小柄で、丸みを帯びた体型が特徴的です。
もともとは日本、中国、朝鮮半島、ロシア東部に生息していたタヌキですが、毛皮のためにソ連(現在のロシア)に移入されたことで、ヨーロッパの国々にも広がったと言われています。
日本国内では、本州、四国、九州に「ホンドタヌキ」が、北海道には「エゾタヌキ」が生息しており、沖縄には存在しないとされます。
タヌキは山地から郊外の住宅地に至るまで幅広い地域に生息し、特に樹林や林縁部、川や沼沢が点在する場所で多く発見されるでしょう。
タヌキは臆病な性格をしており、縄張りを形成して集団で生活することでお互いの身を守っています。
また、タヌキは夜行性の雑食性であるため、野菜や果物、鳥類、昆虫、残飯など幅広い食物を求めて夜に行動を開始します。
手先はそれほど器用ではありませんが、穴掘りが得意で、地中に埋まった芋や地上に落ちた果実を好んで食べることが知られています。
また、犬のような前足を使って樹木や丸太に登ることもできるようです。
ただし、垂直方向の上り下りはそこまで得意ではありません。
畑の外でタヌキの食べ残しが見つかることもあり、農作物への影響も指摘されています。
アライグマの特徴
アライグマは北アメリカ原産の外来種で、哺乳網食肉目アライグマ科アライグマ属に属します。
体長は約40〜60cmで、全長は1mにも及ぶ中型の動物です。
体重は平均4〜10kgですが、なかには20kgを超える個体もあるようです。
もともと北アメリカの森林に生息していたアライグマは、ペットとして輸入された際、いくつかの個体が世界中で野生化したと考えられています。
その野生化したアライグマが繁殖を重ねた結果、現在では日本を含む多くの地域で生息が確認されています。
これにより、日本では特定外来生物に指定されるに至りました。
アライグマは一般的に水辺の近くの森林を好む傾向がありますが、様々な環境に適応する能力を持っています。
基本的に夜行性なものの日中に活動することもあることを考えても、適応能力が非常に高い動物だと言えるでしょう。
また、群れを作らず、単独で行動するのが特徴です。
さらに、なんといってもアライグマの最大の特徴は器用な手先です。
樹木はもちろん、塩ビ管や垂直に垂らした針金など、様々なものに登ることができます。
その器用さは檻のカギを自分で外して脱走するほどなのですが、加えて4〜5kgの物体を動かす力強さもあるというから驚きですよね。
また、雑食性のアライグマは非常に幅広い食性を持っており、野菜、果物、鳥類、昆虫、甲殻類、残飯など、ほぼ何でも食べます。
地上だけでなく、水中や樹上の食物を摂取することもあるようです。
とくに、果物は木になっている状態でヘタ側から食べることが特徴的です。
そして食べ終わった後には、様々な場所で撒き散らすように糞をすることでも知られています。
タヌキとアライグマの見分け方
先述の通り、タヌキとアライグマは分類も何もかも全く異なる種の動物です。
しかし見分けるとなると途端にわからなくなってしまいますよね。
ここではタヌキとアライグマの見分け方について、顔の模様、しっぽ、耳、手の形、性格の5つに分けてご紹介しますので、ぜひそれぞれの特徴を覚えましょう。
◆顔の模様
タヌキは目の周りから首にかけて黒く、耳の縁と髭も黒色です。
一方、アライグマは眉間から鼻にかけてのみ黒く、白い縁の耳と白くて長い髭を持っています。
両者には目の周りに黒い帯状の模様があることは共通しているものの、アライグマには目と目の間に黒い筋があるのに対し、タヌキにはそれがありません。
◆しっぽ
タヌキのしっぽは約15〜18cmで、茶褐色の一色、短くて丸みを帯びた形状をしており、先端は黒色という特徴があります。
一方、アライグマのしっぽは約20〜40cmと長く、灰色と黒の縞模様が4〜10本ほどあり、しっかりとした太さもあります。
しっぽにレッサーパンダを思わせる縞模様があればアライグマ、先端が黒い場合はタヌキと見分けることができるでしょう。
◆耳
タヌキの耳は、その周囲と耳自体も黒色の毛で覆われています。
一方、アライグマの耳は縁が白く、耳自体も比較的小さくて目立たない形状をしているのが特徴的です。
◆手の形
タヌキの手の指は4本で、ぷっくりとした肉球が特徴的な犬とよく似た手をしています。
一方でアライグマの手の指は5本で、すらりと長く、人間に近い形状の手をしています。
そのため、アライグマはタヌキに比べて手先が非常に器用で、長い指を使ってさまざまな物を掴んだり、よじ登ったりすることができます。
◆性格
タヌキは臆病な性格をしており、周囲で爆音が発生した場合には驚きすぎて気絶してしまうことがあるといいます。
一方、アライグマは気性が荒く攻撃的なことで知られており、両者の性格は正反対と言っても過言ではないでしょう。
タヌキやアライグマに遭遇したら
タヌキもアライグマも、日本では野生下で暮らしている個体が多く、害獣として駆除されることも珍しくありません。
もし、タヌキやアライグマに遭遇した時はどんな対応を取ればいいのでしょうか。
◆むやみに近づかない
タヌキやアライグマに遭遇した際は、彼らの可愛らしい外見に騙されず、安全な距離を保つことが大切です。
とくにアライグマは鋭い牙や爪を持っており、攻撃的な行動を取る場合があります。
もし攻撃されれば、深刻な怪我を負うかもしれないため非常に危険です。
タヌキはアライグマほど攻撃的ではないとされていますが、野生動物は基本的に警戒心が強く、どんな行動をとるか予測できません。
臆病なタヌキであっても人間に害を及ぼす可能性は否定できませんので、近づかないのが得策です。
また、タヌキやアライグマに近づくことは感染症のリスクを高めます。
野生のアライグマやタヌキは病原菌やノミ、ダニなどを持っている可能性が非常に高く、むやみに近づくことで人や他の動物に感染する恐れがあります。
見た目は愛らしいかもしれませんが、野生の本能を持つ害獣であることを忘れてはいけません。
安全を最優先に考え、適切な距離を保ちましょう。
◆ペットとして飼育はできない
ちなみに、タヌキやアライグマは、日本でペットとして飼育することが法律で禁止されています。
タヌキのような野生の成獣を飼育することは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」、いわゆる鳥獣保護法により認められていません。
ただし、捕獲または保護したタヌキに関しては、一時的な飼育であれば可能です。
やむを得ず飼育が必要な場合は、各自治体に対して「生涯飼養許可」を申請する必要があります。
また、アライグマに関しては「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」により、ペットとしての飼育や販売が禁止されています。
この法律は2004年に公布され、アライグマが人間や生態系に与える悪影響を防止するために設けられました。
アライグマは、人に危害を加えたり、生態系に悪影響を及ぼしたり、農林水産業に大きな被害をもたらしたりする生物とされているのです。
なお、学術研究や展示などの特別な目的がある場合は、環境大臣または都道府県知事の許可を得れば一定期間飼育できます。
しかし、ペットとしての飼育や譲渡、購入は許されていません。
タヌキやアライグマは野生の本能を持っているため、人間の生活環境に適応することが困難です。
したがって、きちんと申請したからといってペットとして飼育することは避け、自然の中での観察に留めることが望ましいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではタヌキとアライグマの見分け方や、野生の個体に遭遇した場合の正しい対処法について解説しました。
タヌキとアライグマは確かに混同しやすい見た目をしているものの、きちんと違いを並べてみると簡単に見分けられるようになることがわかりましたね。
また、いくら可愛くてもタヌキやアライグマの飼育は法律で禁止されています。
もしも野生のタヌキやアライグマを見かけた場合は、被害を避けるためにもむやみに近づかず、じっと様子を見守ってあげることが大切です。
この記事を参考にして、ぜひ、タヌキとアライグマを見分けてみてくださいね!
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