うさぎはよく怒る動物?怒った時の仕草とキレる理由、対処法について

2023.01.07

うさぎはよく怒る動物?怒った時の仕草とキレる理由、対処法について

うさぎはおとなしい草食動物というイメージが強いのですが、実はよく怒ります。ちょっとしたことでキレたり、時には激しく抵抗してきたりして、飼い主さんを戸惑わせることも多いでしょう。うさぎはどんな時に怒って、どのような仕草をするのか、この記事ではうさぎと上手につき合っていくために知っておきたい、うさぎの怒る理由と仕草、対処法について説明していきます。


うさぎはどんな時に怒る?

うさぎ

うさぎは、基本的にはおとなしくて穏和な動物です。しかし自己主張も強く、不快なこと、気に入らないことがあるとすぐに怒りをあらわにします。

ただ、うさぎの怒りにスイッチが入る理由はさまざまで、気性が激しくすぐキレる子もいれば、のんびりしていてあまり怒らないタイプの子もいます。

いずれにしても、うさぎにはうさぎなりのこだわりがあるようで、人間から見たら「そんなことで?」と思うような些細な理由で怒ることも多いのです。

では、うさぎはどのような時に怒ることが多いのでしょうか。

◆嫌なことをされた

うさぎは何か嫌なことをされると腹を立てて「やめて!」と言わんばかりに抵抗することがあります。

  • うさぎが腹を立てるような行為
  • 無理やり抱っこされた
  • 爪切りやブラッシングをされた
  • 薬を飲まされた
  • ハーネスや服を着せられた
  • 気乗りしない時に撫でられた
  • エサの内容が気にいらない
  • ケージの中のレイアウトを変えられた

特にうさぎは体を拘束されることを嫌うため、なついていても抱っこや爪切りをしようとすると急に暴れ出す子も少なくありません。

飼い主さんが良かれと思ってする行為も、うさぎにとっては迷惑な行為にうつってしまうことがあるのです。ただ、嫌だと感じる行為は個体によってもまちまちで、中には何をされてもおとなしく飼い主さんの言うことを聞く子もいます。

◆縄張りに侵入された

うさぎは縄張り意識が強く、縄張りに自分以外の動物や人が入ってくることを嫌います。そのため、うさぎにとって自分の縄張りであるケージに手を入れたり、住んでいるおうちに知らない人が来たりすると、怒ってマウントや威嚇をしてくる場合があります。

縄張り意識の強さには個体差があり、男性ホルモンの影響でオスのほうが縄張りに強いこだわりを持ちます。また、思春期を迎えたオス、発情中、妊娠中のうさぎも一時的に縄張り市域が強くなります。

一方、縄張り意識の弱いうさぎは、自分の仲間と認めている人やほかの動物が自分の縄張りに入って来ても、怒ることはほとんどありません。

◆ご飯をもらっていない

うさぎは時間にとても正確で、食事の時間になったのにエサがもらえないとイライラして飼い主さんにクレームを出してきます。

お皿をくわえて振り回したり、わざとひっくり返したりして「ごはんまだ?」と飼い主さんにアピールをします。うさぎは声帯がなく、犬や猫のように鳴いてご飯を催促することができないので、飼い主さんに気付いてもらうために大きな音を立てているのでしょう。

◆においや音がした

うさぎは嗅覚や聴覚が鋭く、わずかなにおいや音にもとても敏感です。においや音を元に周辺の状況を察知しているため、知らないにおいや不審な音がすると警戒して怒ることがあります。

◆飼い主さんがかまってくれない

うさぎは愛情深い動物です。信頼している飼い主さんとのコミュニケーションを好み、一緒にいることに喜びを感じます。

そのため、うさぎが遊んでほしい、撫でてほしいと思っているのに飼い主さんがかまってくれないと、いじけて怒り出すことがあるのです。


うさぎが怒っている時にする仕草

うさぎ

うさぎはあまり感情がないと思われがちですが、実はとても感情が豊か。うさぎにも喜怒哀楽があって、全身で感情を表現しています。

特に、喜怒哀楽の中では怒りの感情が一番分かりやすいでしょう。では、うさぎは怒っている時にどのような仕草をするのでしょうか。

◆足ダンする

うさぎが怒った時にはよく「スタンピング」をします。スタンピングは、後ろ足で地面を力いっぱい踏み鳴らすうさぎ特有の習性です。「ダン!」と大きな音がするので「足ダン」と呼ばれています。

これは、野生のうさぎが警戒している時、仲間に危険を知らせるために行う仕草で、ペットのうさぎも怖い目にあった時、怒った時に興奮して足ダンをします。

ペットのうさぎは、不審な物音や何かの気配におびえて足ダンすることが多いでしょう。

また、気に入らないことがあった時に「変な音を出すな」「不愉快だ」とクレームを出すような感じで、軽く足ダンをすることがあります。こういった仕草にはちょっと人間味も感じられますね。

◆ブーブーと鼻を鳴らす

うさぎは鳴き声が出せない代わり、鼻を鳴らして感情表現をします。怒った時、不満がある時には、鼻から「ブー!」「ブッ、ブッ」と低い音を出します。

うさぎは嬉しい時にも鼻を鳴らします。嬉しい時は高い音で「プープー」と鼻を鳴らしますが、怒っている時は低い音で強めに「ブー!」と鼻を鳴らすので、違いは分かりやすいでしょう。

◆物を振り回す

気に入らないことがあると、食器やおもちゃなどを口にくわえて振り回す子もいます。うさぎも物に八つ当たりをすることがあるようですね。

◆前足でパンチする

うさぎはケンカや威嚇をする時、そろえた両前足を前にくり出してパンチをします。うさぎ用語で「うさパンチ」とも呼ばれ、飼い主さんがケージの中に手を入れた時、うさぎが追い出そうとしてすることが多いです。

◆耳を倒して低い体勢をとる

うさぎが耳を倒して前足をそろえ、低い体勢をとっていたら要注意。これは、相手を威嚇して今にも飛びかかろうとしている瞬間です。

うさぎはとても怒っているので、このタイミングでうさぎの前に手を出してはいけません。突進してきたり、手を噛まれたりする可能性があります。

ペットのうさぎが飼い主さんに対して、このような戦闘態勢をとることは滅多にないはずです。ただし、慣れていないうさぎがよほど警戒している時は、攻撃してくることがあるので注意しましょう。

◆噛む

うさぎは嫌なことをされた時、怖い思いをした時には抵抗して噛んでくることがあります。

噛まれても甘噛みする程度ならチクッとするだけですが、興奮しているうさぎは本気で噛みつくので、出血するほどのけがをしてしまうことも。

噛む前にはうさぎがキレて足ダンや威嚇の姿勢をとっていることが多いので、そのような場合はうさぎの顔の前に手を出さないほうがよいです。


うさぎはどうしてすぐ怒るの?

うさぎは気に入らないことがあるとすぐ怒りをぶつけてきますが、それは攻撃的な動物だから、わがままだから、ということではありません。

逆に憶病で繊細な性質をしているため、怖い目にあった時に自分の身を守るため抵抗して怒ってくることが多いのです。

また、うさぎはマウントをとりたがり「人間より自分のほうが上」と思っている節があります。小さな生き物だけどどこか気高く、この家の王様気取りをしているな、と思うことがありますよね。飼い主さんやそのご家族に対しても自己主張が強く、気に入らないことがあると遠慮な人間に怒りをぶつけていくのです。


うさぎが怒っている時に飼い主ができること

うさぎが豊かな感情を持ち、時には怒ることがあるとはいえ、うさぎがしょっちゅう怒っていて飼い主さんが振り回されるのは好ましいことではありません。

うさぎが頻繁に興奮して怒ることは、その都度うさぎにストレスをかけるため、体調を崩す原因にもつながります。

飼い主さんは、うさぎの気持ちを尊重しつつ、うさぎがなるべく平穏な気持ちで過ごせるよう対処することも必要です。

◆機嫌が直るまでそっとしておく

うさぎも人間と一緒で、時には嫌なことがあるのはやむを得ないことです。普段は機嫌良く過ごしていて、ちょっと気に入らないことがあった時に怒る程度ならあまり心配はいりません。

うさぎが怒ると、しばらくは飼い主さんとの間に距離を置いたり、触らせてくれなかったりするかもしれません。うさぎの機嫌が直るまでは自然に任せてそっとしておくとよいでしょう。

◆優しく声をかける

食事の時間が遅れた、うさぎの嫌いな爪切りをした、など何かの拍子にうさぎを怒らせてしまった場合は、うさぎに優しい口調で声をかけてみましょう。言葉は分からなくても「○○ちゃん、ごめんね。」となどと話しかけてあげると、飼い主さんの気持ちが通じてうさぎの気持ちがおさまることがあります。

◆原因が明らかな場合は対処してあげる

うさぎが気分を害する理由が明確に分かっている場合は、その原因を取り除いてあげましょう。

うさぎがイライラする要因に、匂いや音、過剰なスキンシップなどが挙げられます。臭いの強いものや大きな音がするものはケージから遠ざけ、静かで落ち着ける場所にケージを置きましょう。

また、うさぎが気乗りしない時にベタベタかまうのもストレスになるので、休んでいる時はそっとしておいてあげましょう。

ケージの掃除、抱っこや爪切りなどのお世話は、うさぎのお世話として必要なので、嫌がられてもやめることはできません。また、ある程度のしつけも必要です。うさぎには優しく声をかけながら手短にお世話を済ませ、少しずつ慣らしていくとよいでしょう。毎日決まった時間にお世話することもお忘れなく。

◆様子がおかしい場合は受診を

なお、機嫌の悪い状態が長く続く場合は、体調が悪いことも考えられます。隅に隠れたがる、体を触ろうとすると怒るなど、うさぎの様子が気になる場合は動物病院を受診することをおすすめします。


まとめ

うさぎが怒る理由、怒った時の仕草についてご紹介しました。うさぎは感情が豊かで、怒った時には感情をストレートに表現します。うさぎはすねたりいじけたりしている姿すらも可愛らしいですよね。ですが、怒りや不安といった負の感情はうさぎのストレスになることも頭に入れておかなければなりません。うさぎの感情をコントロールしながら、上手に付き合っていくことを心がけましょう。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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