1.中型インコの種類
1-1.ウロコインコ
1-2.オキナインコ
1-3.コガネメキシコインコ
1-4.シロハラインコ
1-5.ビセイインコ
1-6.アキクサインコ
3.中型インコの飼い方
3-1.中型インコの飼育に必要なグッズ
3-2.環境
3-3.食事
4.中型インコを飼う際の注意点
4-1.小さな子供がいる家庭場合
4-2.防音対策はマスト
4-3.寿命が長いことで起こること
4-4.種類やその子の性格に合った関わり方ができるか
中型インコの種類
小型のセキセイインコやコザクラインコなどと比べると、あまり馴染がないかもしれませんが、中型インコも魅力たっぷりです。ペットとして人気のある6種類の中型インコを紹介します。
大きさや寿命に関しては個体差があり、飼育書やネット情報にもバラつきがあります。寿命は飼育下では、表記されている年数より長く生きる子もいます。
価格も取扱店やカラーによっても大きく異なることがあります。あくまでも目安であることをご了承ください。
◆ウロコインコ
分類 | インコ科ウロコメキシコインコ属 |
生息地 | 南米(ブラジル中西部、ペルー東部など) |
大きさ | 体長25cm/体重60~80g |
寿命 | 10~20年 |
価格 | ¥25,000~50,000 |
1番の特徴は、名前の由来にもなっているように、胸の辺りの羽がウロコ模様のように見えることです。
一口にウロコインコと言っても種類が豊富で、ホオミドリウロコインコ、アカハラウロコインコ、ワキコガネイロウロコインコなど様々あります。名前から体の色が分かるのも面白いですよね。
雌雄の判別は頭部の大きさで分かるとも言われていますが、個体差が激しく非常に難しいようです。
性格は明るく、好奇心旺盛です。感情表現も豊かで、気持ちや機嫌が分かりやすいですよ。スキンシップが大好きなので、一緒に遊んであげると大変喜びます。とても賢く、ヒトの幼児並みとも言われる程です。遊びの中で芸を教えると、上手にこなせるようになります。
オウムのように上手くはありませんが、中にはお喋りができる子もいるそうです。自分の名前や、喋りやすい短い言葉など、挑戦してみても良いですね。全ての子が喋れる訳ではないので、無理強いは禁物です。
📌【おすすめ記事】【ウロコインコ】特徴、性格、寿命、長生きさせるコツを紹介!お迎え前に確認することは?
◆オキナインコ
分類 | インコ科オキナインコ属 |
生息地 | 南米 人の手により野生化した個体が、イタリアやポルトガル、ベルギーなどでも見られる |
大きさ | 体長30cm/体重100~150g |
寿命 | 15年前後 |
価格 | ¥60,000~200,000 |
丸っこくて可愛いシルエットの中型インコです。中型インコだと、声が大きく賑やかな子が多いですが、オキナインコは特に声量が大きい種類です。また、お喋りも得意で賢いですよ。
性格は穏やかですが、とにかく賑やかです。例えば怖い時や威嚇しているときは「ギャーギャー」と高音混じりの低い声で、楽しい時や嬉しい時は「キャッキャッキャッ」と高い声で鳴きます。飼育の際は、静かにさせるのは不可能だと考えておいた方が良いでしょう。
また、基本的には穏やかですが、縄張り意識が強い面も持ち合わせています。たとえ飼い主さんでも、ケージに手を入れると威嚇されたり、噛みつかれたりするので注意が必要です。賢いのである程度しつけで改善できることもあるようです。
価格に幅がありますが、オキナインコにも色変わりがあり、珍しいカラー程高額になります。色変わりとしてはブルーやアルビノがいます。
📌【おすすめ記事】オキナインコは賢くて飼いやすい陽気な鳥!色や性格、飼い方まで徹底解説
◆コガネメキシコインコ
分類 | インコ科クサビオインコ属 |
生息地 | 南アメリカ(ブラジル、ガイアナ共和国周辺) |
大きさ | 体長30cm/体重100~120g |
寿命 | 15~20年 |
価格 | ¥60,000~120,000 |
クサビオインコ属には25種類程の仲間がいますが、その中の1つがコガネメキシコインコです。太陽のような鮮やかなカラーが特徴で、「コガネ」の名が相応しい美しい羽色です。
コガネメキシコインコの仲間は陽気な性格の子が多く、また知能が高いと言われています。知能が高いため、飼い主さんのことをよく覚え、様々な遊びや芸を覚えます。特に転がって遊ぶのが好きな子が多いので、可愛い姿を見せてくれるでしょう。
人慣れしやすく、コンパニオンバードにぴったりですね。
良くも悪くも飼い主さんのことが大好きなので、1人でいることが苦手です。寂しがり屋で、呼び鳴きをすることもあります。
コガネメキシコインコの仲間は、中型インコの中でもトップクラスの声量を誇っています。「キーキー」「ギャアギャア」といった大きな鳴き声は、人の話声を簡単にかき消してしまいます。
📌【おすすめ記事】飼育が楽しいコンパニオンバード!コガネメキシコインコ
◆シロハラインコ
分類 | インコ科シロハラインコ属 |
生息地 | 南米(ブラジル、ベネズエラ、コロンビア、ペルーなど) |
大きさ | 体長23cm/体重150g |
寿命 | 30年前後 |
価格 | ¥200,000~300,000 |
名前の通り、お腹辺りの羽は白い色をしています。ですが、頭や腿の辺りは黄色やオレンジ、翼部分は緑色と、カラフルなインコです。
シロハラインコの仲間で、頭の部分が黒いズグロシロハラインコという種類もあります。ペットとして流通しているのは、ズグロシロハラインコの方が多いようです。
性格は陽気で甘えん坊です。非常に人に慣れやすく、スキンシップを取りたい人にはもってこいのインコです。
知能が高く、幼児用の知育おもちゃなどでも遊べるようですよ。芸を仕込みたい人にもお勧めです。コガネメキシコインコと同様に、寝転んで遊ぶ可愛い姿も見られます。
シロハラインコはリンゴやバナナなどの果物が好きです。スキンシップがてら、朝食時などにシェアしてあげると喜びそうですね。
他の中型インコと同様、甲高い大きな声が周囲に響き渡りますので、防音対策は必須です。
寒さにはやや弱いので、温度管理はしっかりとしてあげましょう。
📌【おすすめ記事】シロハラインコってどんな鳥?生態や飼い方など紹介
◆ビセイインコ
分類 | インコ科ビセイインコ属 |
生息地 | オーストラリア東南部 |
大きさ | 体長27cm/体重60g |
寿命 | 15~20年 |
価格 | ¥15,000~25,000 |
1番の特徴は、名前の通り美しいさえずりを聞かせてくれるところです。その澄んだ鳴き声は、よく「鈴を転がしたような美しい音色」と言われます。個体差もありますが、メスよりもオスの方が綺麗に鳴くとされています。
中型インコ特有の、「キーキー」「ギャーギャー」と甲高い声で鳴くことはなく、控えめで大人しいので、マンションなどに住んでいても飼いやすい種類ではないでしょうか。
ビセイインコは見た目でオスとメスが見分けやすいのも特徴です。原種では、オスは全体的に綺麗な緑色で、翼や腰の辺りに褐色がかった赤い色が入っています。メスはくすんだオリーブ色で、地味な色合いをしています。ペット用に改良され、ブルー系やパステルカラーなど様々な色変わりが誕生しています。
性格は神経質で恐がりです。ストレスを受けやすく、丈夫と言われる中型インコの中では病気になりやすい側面があります。
スキンシップもあまり得意ではなく、構い過ぎるとストレスになってしまいます。美しい容姿や鳴き声を楽しむ観賞用として、静かで落ち着いた環境で飼育してあげるのが良いでしょう。
📌【おすすめ記事】【美声を持ったインコ】ビセイインコの特徴・性格・飼育グッズを紹介!
◆アキクサインコ
分類 | インコ科アキクサインコ属 |
生息地 | オーストラリア中部・西部 |
大きさ | 体長20cm/体重50g |
寿命 | 10~15年 |
価格 | ¥20,000 |
インコの中では珍しい、可愛いピンク色のカラーが1番の特徴です。実は、野生ではグレーの個体が多く、差し色としてピンク色が少し入る程度なのですよ。人の手により、差し色の発色が良い個体同士を掛け合わせて、全体的にピンク色が出る美しい種類が誕生しました。
現在では色変わりもたくさん出てきました。例えば、「ローズ」はピンク色がより鮮やかになった種類です。「ファロー」は全体的にクリーム色がかっており、ピンクやグレー、ブルーの差し色が入ることもあります。その色味から、女性への人気がとても高くなっています。
大きさは他の中型インコと比べると小さく、セキセイインコと同じようなサイズ感です。鳴き声もあまり大きくはなく、活発に鳴くこともありません。その点は飼いやすいと言えますね。
アキクサインコは大人しい性格で、臆病なところもあります。人に慣れることもありますが、積極的に遊んでほしい訳ではなく、静かに寄り添うくらいの距離感が好きなようです。過度なスキンシップはストレスになってしまいますが、お留守番には強い傾向です。
インコには珍しく、日中よりも夕方~夜に活動的になります。日中は仕事などで留守にする人におすすめの種類です。
📌【おすすめ記事】桃色が美しいアキクサインコの生態と飼い方を紹介!必要な飼育用品は?
中型インコは飼いやすいの?
中型インコと言っても、大きさや性格などが様々ですので、一概に飼いやすい・飼いにくいとはいえません。
ただ、小型インコと比較すると、取り扱っているペットショップが少なく、入手することが難しくなっています。また、体も20~40cmと大きいので、その種類に適した広めのケージが必要になってくるでしょう。
入手方法と環境さえ整えられれば、中型インコは体が丈夫ですし、知能も高く、最高のパートナーになることでしょう。小型インコとは違った遊び応えや、美しい容姿を味わうことができますよ。
中型インコの飼い方
では、中型インコをお迎えする際に必要なものや飼育環境などについて紹介します。
◆中型インコの飼育に必要なグッズ
ヒナを育てる時や繁殖させたい時など、目的に応じて必要になるものは異なります。ここでは基本的なグッズの紹介をします。また、あったら便利なグッズなども色々ありますので、飼育に慣れてきたら、少しずつ検討してみましょう。
●鳥かご(ケージ)
中型インコは体が大きいので、大きめのケージが必要になります。目安としては大体45cm四方と言われていますが、尾が長い種類や、おもちゃを入れる場合は、もっと広いケージの方が安心でしょう。
体に合わず狭過ぎると、ストレスが溜まったり、羽を広げた時に怪我をしてしまったりする危険があります。
中型インコに限らず、インコは色んなものを噛む習性があります。中には見た目を良くするためにケージの柵部分を塗装しているものもありますが、齧ったものが削れ、食べてしまうこともありますので、無塗装のケージを選びましょう。
また、掃除のしやすさもケージ選びのポイントです。底のトレーが引き出せるタイプだと掃除が楽にできますよ。
●エサ入れ、水入れ
これらの容器もケージに付属していることが多いので、そのまま使用しても問題ありません。購入するのであれば、ケージからの出し入れしやすいものや、飛び散り防止用のカバー付きなどもありますので、検討してみてください。
●ヒーター
中型インコは比較的体が丈夫で、寒さにもある程度耐性はあります。しかし急激な温度変化は人間でも体調を崩しますし、お住まいの地域によってはしっかりと防寒対策をした方が安心です。
サーモスタット付きのヒーターを選べば、寒くなった時に自動で作動してくれるので便利ですよ。併せてケージの近くに温度計を置いておくのもおすすめです。
中型インコのヒナをお迎えする時や高齢になった場合には必須アイテムになります。
●キャリーケース
通院の際や、ケージを丸ごと洗いたい時の一時待機場所として、キャリーケースがあると便利です。通院で普段の大きなケージで運ぶのは大変ですし、移動中、何かに驚いて暴れた時に怪我をしてしまう危険がありますのでキャリーケースの方が安心です。
鳥専用のキャリーケースも売られていますが、虫かごなどでも代用できますよ。安全にインコを運ぶためのものなので、大きさは小さめで大丈夫です。
●菜差し
新鮮な青菜などを与えたい時に便利です。とまり木の近くに取り付けてあげると食べやすくなりますよ。
●水浴び用の容器
中型インコには水浴びが好きな種類が多くいます。中には水入れに無理やり体を押し込んで水浴びする子もいますが、水浴び専用の容器を準備してあげましょう。
家にあるものでも代用可能ですが、購入する場合も、体がすっぽり収まる浅めの容器が最適です。
●ナスカン
中型インコは噛む力が強く、頭も良いので自分でケージのドアを開けてしまうことがあります。もし家に誰もいない時に脱走してしまうと、電気コードを噛んで感電するなど大きな事故に繋がり兼ねません。
ケージのドアや餌入れなどの入れ口はナスカンで留めておくことをおすすめします。
●おもちゃ
知能の高い中型インコは、おもちゃで遊ぶのが大好きな子が多い印象です。飼い主さんが遊んであげられない時の暇潰しにもなりますので、入れてあげると良いでしょう。
おもちゃを入れる際はケージの広さを考慮してくださいね。神経質な子はケージの中でパニックを起こす子もいるので、おもちゃの形状にも配慮してあげましょう。
◆環境
中型インコを飼育する上で、快適な室温は20~25℃と言われています。人間と同じような感じですね。寒さ暑さには比較的強いですが、四季を通して、なるべく過ごしやすい室温に調節してあげたいものです。
ヒナや高齢のインコの場合、やや高めの25~30℃くらいにしてあげましょう。
ケージの置き場所ですが、人が大好きでスキンシップを取りたがる子は、人が見えるところに置きます。逆に、スキンシップが苦手な子は静かで落ち着ける場所の方が良いでしょう。
どんな子にも共通して言えるのは、テレビや部屋の出入口付近は落ち着かないので避けましょう。また、日光浴は必要ですが、直射日光が当たる窓の近くも避けたい場所です。熱中症などの危険や、窓から天敵に当たる猫やカラスなどが見えてしまうと、中型インコがショックを受けることもあります。
そしてなるべく自然に近い環境にしたいので、日の出と日の入りに合わせてケージを明るい場所に移動させたり、カバーなどを掛けて暗くしてあげたりすると、なお良いでしょう。
◆食事
野生の中型インコは種子を主食にしている種類が多いですが、中には果実や昆虫などを食べる子もいます。
飼育下では栄養バランスを考えて人工的に作られたペレットがお勧めです。しかしペレットは若いうちから慣れさせないと受け入れが悪いことがあり、ヒエや粟などの混合シードで育ってきた子だと、途中で切り替えるのに根気が必要です。
また、取り扱うメーカーが少なく、混合シードと比べると、値段が高く設定されています。
混合シードを主食にすると、中型インコも好んで食べてくれますが、栄養バランスが崩れやすいことや、別途小松菜や果実、ボレー粉なども与える必要が出てきます。できればペレットを主食とし、混合シードはおやつにするのが理想的と言えます。
中型インコを飼う際の注意点
中型インコを飼育する際の注意点をまとめてみました。飼育を検討している人も、参考にしてくださいね。
◆小さな子供がいる家庭場合
ご家庭に小さなお子さんがいる場合、中型インコの飼育には注意が必要です。
小型のセキセイインコでも本気で噛まれるとかなり痛いのですが、体の大きな中型インコですと、更に噛む力が強くなります。また、インコ全般に言えることですが、好奇心が強く、齧ることが大好きです。警戒心が強い子の場合、威嚇や恐怖から噛みつくこともあるでしょう。
小さなお子さんが不用意にケージの中へ指を入れてしまうと、噛まれてしまう危険があります。
◆防音対策はマスト
中型インコは小型インコよりも体が大きいため、鳴き声も大きくなります。種類によっては鳴き声で豊かに感情表現をしてきますので、日中の大半は賑やかな子もいるでしょう。寂しがり屋の子は呼び鳴きもあります。
勿論、種類や性格によっては、穏やかで大人しい子もいますが、驚いたりパニックを起こしたりすると、大きな声が出ますよ。
以上のことからも、中型インコを一般家庭で飼育する場合、防音対策は必須と考えておいた方が良いでしょう。特にマンションなどの集合住宅や、一戸建てでも隣家との距離が近い場合は配慮が必要不可欠です。
◆寿命が長いことで起こること
小型インコと比べると、体が丈夫で寿命も長い傾向があります。
大型のインコやオウムの寿命の長さも有名ですが、中型インコも大型インコに匹敵する程、長生きする種類もいます。中型インコを迎える前に、最後まで飼育することができるのかを考えましょう。
また、長く生きているとその間に病気や怪我をすることもあるでしょう。その様な時は病院に連れて行かなければなりません。責任を持って受診させられますか?
コンパニオンバードにもってこいの中型インコですが、飼育の際には命を預かる責任が生じます。
◆種類やその子の性格に合った関わり方ができるか
全ての中型インコに当てはまる訳ではありませんが、種類によってはスキンシップが大好きで、飼い主さんと片時も離れたくない子もいます。このような寂しがり屋で甘えん坊の子を放っておくと、ストレスから呼び鳴きが激しくなったり、毛引きを起こしたりします。
逆に、度なスキンシップが苦手な種類、性格の子は構うことがストレスになってしまいます。あまり構わず、観賞用として楽しんだ方が良いでしょう。
飼育する中型インコの種類やその子の性格を把握し、受け止め、適切な関わり方をしてあげると長生きにも繋がりますよ。
まとめ
中型インコの種類を中心に紹介しました。一口に中型インコと言っても、特徴や性格は様々で、どの種類にも愛らしい魅力が備わっています。
この記事を読んでいただけた人の中には、中型インコを飼ってみたくなった人もおられるのではないでしょうか。中型インコをお迎えする前には、必ずその種類の特徴や飼い方を知り、最後まで責任を持って飼育できるかを熟考してくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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