1.うさぎに野菜を与えても良い？
1-1.うさぎにとって野菜は副食
3.うさぎに与える際に注意が必要な野菜
3-1.シュウ酸を多く含む野菜
3-2.カルシウムが多い野菜
3-3.ブロッコリー・カリフラワー
4.うさぎに与えてはいけない野菜
4-1.じゃがいもの芽と皮
4-2.ネギ類
4-3.ほうれん草
4-4.アボカド
4-5.ルバーブ
4-6.ごぼう
5.野菜の与え方
5-1.最適な適量
5-2.生野菜
5-3.干し野菜
うさぎに野菜を与えても良い？
うさぎに野菜を与えることは可能です。
しかしながら、「どんな野菜を与えても良い」「どれだけ与えても良い」という訳ではありません。
うさぎの健康のためにも、飼い主さんは、与えてもよい野菜、与えてもよい量があることを知っておく必要があります。
ここでは、「ウサギに野菜を与えること」はどういうことなのかについて、解説していきます。
◆うさぎにとって野菜は副食
キャラクター等の影響もあり、うさぎといえば「ニンジンを食べる」というイメージがある方も多いのではないでしょうか。
そんなうさぎの主食は、実は「牧草」。うさぎの餌の中心は、主食である「牧草」と牧草だけでは不足しがちな栄養を補うための「うさぎ専用ペレット」です。
うさぎの体内には牧草を発酵して必要な栄養素を吸収する機能があり、本来、特に野菜を与える必要はありません。
そうとはいえ、うさぎにとってもご褒美やおやつは嬉しいもの。
実際に、うさぎは野菜を喜んで食べてくれます。
また、いつもの牧草やペレットに飽きてしまったり、体調が悪く餌が食べられなかったりする場合などには、野菜が食欲のスイッチを入れるきっかけになることもあります。
このように、うさぎにとって「野菜」はあくまでも副菜として与えるものです。
そのため、「うさぎが食べられる野菜であること」「適量を与えてあげること」が重要になります。
うさぎに与えても良い野菜
では、うさぎに与えてよい野菜とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
うさぎに与えても良い野菜には、小松菜、キャベツ、レタス、白菜、チンゲン菜などの葉物野菜、ニンジン、きゅうりなどがあります。
そうとはいえ、ベビー期のうさぎは、胃腸の状態が安定しておらず、生野菜を消化することができません。
そのため、うさぎに生野菜を与えられるのは、生後3～4か月を過ぎてからになります。
また、ベビー期には、キャベツなどの発酵しやすい野菜を与えることも避けてください。
なお、一度に大量に与えてしまうと体調を崩してしまう可能性がありますので、与える量には注意しましょう。特に、レタスのような水分の多い野菜は、与え過ぎに注意が必要です。
うさぎに与える際に注意が必要な野菜
うさぎに与える際に注意が必要なのは、「シュウ酸」や「カルシウム」など、多く与えるとうさぎの体調に影響のある成分が多く含まれた野菜です。
たとえ、人間にとっては影響の少ない成分でも、うさぎにとっては体調の低下や健康に悪影響を及ぼすこともあります。
これらの野菜は、うさぎに全く与えていけないというわけではありませんが、与える量には十分注意が必要です。
ここでは、うさぎに与える際に注意が必要な、「シュウ酸」や「カルシウム」などを多く含む野菜について、ご紹介していきましょう。
◆シュウ酸を多く含む野菜
「シュウ酸」は、野菜の「アク」にあたる成分で、カルシウムや鉄分の吸収を阻害する働きがあります。
そんなシュウ酸を多く含む野菜には、ほうれん草やパセリ、たけのこなどがあります。
万が一、シュウ酸を多く含む野菜をたくさん食べてしまうと、「尿石症」を引き起こす可能性があります。特に、生では与えることは厳禁です。
さらに、1日にシュウ酸を多く含む野菜をたくさん食べてしまうことがないよう、与える量にも十分に注意しましょう。
◆カルシウムが多い野菜
「カルシウム」は、骨や歯を構成するだけでなく、心臓を動かしたり、筋肉を収縮させたりといった生命活動を維持する働きもあります。
そんなカルシウムを多く含む野菜には、モロヘイヤや水菜、大根の葉、大葉などがあります。
万が一、カルシウムを多く含む野菜をたくさん食べてしまうと、「高カルシウム尿症」や「尿石症」を引き起こす可能性があるため、大量摂取は厳禁です。
これらカルシウムが多い野菜の野菜は、与える量に十分に注意してください。
◆ブロッコリー・カリフラワー
ブロッコリーやカリフラワーには、胃腸の働きを助ける酵素が含まれています。
そのため、ブロッコリーやカリフラワーをたくさん食べてしまうと、かえって胃腸の調子を崩してしまう可能性があるため、十分に注意しましょう。
特に、初めて与えるときは少量にし、下痢などの症状が出ないかどうか様子をみながら与えるようにしましょう。
うさぎに与えてはいけない野菜
うさぎに与えてはいけない野菜は、消化不良や中毒といった、うさぎの体調に重大な影響を及ぼす可能性のある成分が含まれた野菜です。
うさぎに与えてはいけない野菜には、じゃがいもの芽や皮、ネギ類、ほうれん草、アボカド、ルバーブ、ごぼうなどがあります。
これらの野菜をうさぎに与えることは、命に係わる可能性もあるため、絶対に避けてください。
ここでは、これらうさぎに与えてはいけない野菜について、ご紹介していきます。
◆じゃがいもの芽と皮
じゃがいもなどのイモ類に含まれる「でんぷん」は、食べすぎると腸の働きが悪くなり「下痢」や「うっ滞」といった症状を引き起こす可能性があるため、うさぎにイモ類を与えることはおすすめできません。
特に、じゃがいもの芽や青くなっている皮には「ソラニン」という中毒成分が含まれており、消化器官に悪影響を与えるため、うさぎには与えないでください。
また、じゃがいもの葉も同様で、決して、うさぎに与えないようにしましょう。
◆ネギ類
長ねぎ、玉ねぎ、ニラ、にんにくといったネギ類の野菜の匂いの元となる成分「アリルプロピルジスルフィド」は、赤血球を破壊する作用があり、「溶血性貧血」を引き起こします。
なお、たとえ加熱したとしても、ネギ類の毒性がなくなることはありません。
万が一、うさぎがネギ類の野菜を口にしてしまった場合、1～数日後に下痢や貧血などの症状が現れます。
また、うさぎのなかには、アナフィラキシーショックを起こす子もいるため、ネギ類は、少量であったとしても与えないようにしましょう。
◆ほうれん草
ほうれん草には、アクやえぐみの成分である「シュウ酸」を多く含む野菜です。
シュウ酸を多く含む野菜を取りすぎると、「尿石症」を引き起こす可能性があるため、うさぎに与えることはあまりおすすめできません。
特に、尿石症を発症したことがあるうさぎの場合は、尿石症を発症しやすくなるため、与えない方が良いでしょう。
◆アボカド
アボカドに含まれる「ペルシン」という成分には毒性があり、特にうさぎが食べてしまうと、中毒症状を引き起こし、最悪の場合命にかかわることもあります。
ペルシンは、アボカドの実だけでなく、種や葉などにも含まれているため、どの部分も決して口にすることがないよう、十分に注意しましょう。
◆ルバーブ
ルバーブは、茎の部分をジャムなどに加工して食べる野菜で、葉の部分に高濃度の「シュウ酸」、さらに毒性の原因といわれている「アントラキノン」が含まれており、うさぎが食べると重い中毒症状を引き起こす恐れがあります。
うさぎが誤って口にすると、下痢や腹痛、嘔吐などの症状が現れ、最悪の場合死に至る可能性もあるため、十分に注意してください。
◆ごぼう
ごぼうは固く、繊維質も豊富なため、一見うさぎの体調に良い影響を与えそうなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、ごぼうの主な成分は炭水化物。
ごぼうは「でんぷん質」を多く含み、うさぎが摂取すると胃腸の機能障害を起こす可能性があり、うさぎに与えることはおすすめできない野菜のひとつです。
万が一、うさぎが誤って口にしてしまったとしても、すぐに中毒症状などが出るわけではありませんが、大量に食べてしまうようなことがないように注意しましょう。
野菜の与え方
うさぎには、与えてよい野菜と良くない野菜がある、という点についてお話ししてきました。
うさぎにとっても、おやつやご褒美をもらえることは嬉しいことですし、飼い主さんにとってもコミュニケーションを取る良い時間になるでしょう。
では、実際にうさぎに野菜を与えようとした場合、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
ここでは、適切な野菜の与え方について、ご紹介していきましょう。
◆最適な適量
うさぎに多くの野菜を与えると、主食の牧草を食べなくなってしまったり、体調を崩してしまったりすることがあります。
そのため、うさぎに野菜を与えるときは、適切な量を意識することが大切です。
うさぎに与える野菜の適切な量は、1日に5gくらい。1日に与える牧草やペレットの量の1/10くらいが適量です。
なお、うさぎに与える野菜は葉野菜を中心にし、実や根を食べるタイプの野菜は少なめにするようにしましょう。
◆生野菜
ベビー期のうさぎは、生野菜を消化できる機能ができあがっていません。
そのため、うさぎに生野菜を与えられるのは、消化が可能になる生後3～4か月以降です。
初めは、食後のうさぎの体調を確認したり、味に慣れさせたりすることが目的となるので、ひとかけら程度からスタートしましょう。
「下痢など体調不良を起こさない」「喜んで食べている」など、問題がないことが確認などたら、身体が大きくなるのに合わせて徐々に量を増やしていきます。
なお、生野菜を与える量を1日5g程度にするのは、生後1年以降にしてください。
実際に生野菜を与える際は、よく水洗いし、種や皮、硬い部分などは取り除いてあげましょう。
◆干し野菜
水分量を心配しなくてよい干し野菜は、うさぎのおやつにも最適です。
うさぎが食べられるような干し野菜は、ペットショップなどでも販売されていますが、もちろん、手作りすることもできます。
野菜をピーラーなどで薄くスライスし、天日干して、しっかりと乾燥させるだけ。
あらかじめしっかりと水洗いしておくことと、長期保存ができないことには注意が必要ですが、うさぎが食べられる分だけを準備することができるので経済的です。
なお、かぼちゃやニンジンは甘みのある野菜は、うさぎも喜んで食べます。
しかしながら、これらの野菜は糖分が多いので、与える量は少なめにしましょう。
野菜のおやつもある
市販されているうさぎのおやつには、野菜を使ったものも多くみられます。
ここでは、うさぎ用として市販されているおすすめの「野菜のおやつ」をご紹介します。
◆サラダバー
素材の栄養・風味そのままにフリーズドライ。
サクサクの食感に仕上げました。
手で持って与えやすいサイズのコミュニケーションおやつです。
ジェックスの「サラダバー」シリーズは、「カボチャ＆ニンジン」「ニンジン＆芽キャベツ」「芽キャベツ＆ブロッコリー」「ブロッコリー＆カボチャ」といった、うさぎが喜ぶ2種類の乾燥野菜入った、うさぎのおやつです。
素材の栄養・風味がそのままフリーズドライされており、与えやすい、食べやすいのが特徴です。
◆うさべジ
うさちゃんのためのおいしくてヘルシーなおやつ「うさベジ」シリーズ。
アラタの「うさベジ」シリーズは、「青パパイヤ」「しいたけ」「トマト」「ズッキーニ」「ブロッコリー」など、自宅では乾燥野菜にしにくい野菜がラインナップされた、うさぎのおやつです。
それぞれの野菜の持つ栄養素やうま味を凝縮した、おいしくてヘルシーなおやつです。
◆なごみ うさぎのドライサラダ
ビタミン、酵素を壊さない低温加工
なごみの「うさぎのドライサラダ」シリーズは、キャベツ、ブロッコリー、青菜、エゴマに「ニンジン」をプラスしたもの、その他「かぼちゃ」をプラスしたものなど、複数の乾燥野菜がミックスされたうさぎのおやつです。
ビタミンや酵素を壊さない低温加工で作られた、南知多産のうさぎ用おやつです。
うさぎに野菜を与える時の注意点
うさぎに野菜を与える時は「与えてよい野菜を選ぶこと」「与えすぎないこと」の2点に注意する必要があります。
万が一、与えてはいけない野菜を与えてしまうと、下痢や嘔吐といった中毒症状を起こしたり、病気を招いたりするだけでなく、最悪の場合、死に至る可能性も。
また、あまり与えない方が良いとされる野菜でも、与える量が多くなると、同じように体調を崩す原因となる可能性もあります。
うさぎのような小さな動物にとっては、下痢や嘔吐といった症状が命に係わることもあるため、正しい野菜の種類と量を与えてあげることが重要です。
併せて、うさぎに与える野菜は、農薬などが付着している可能性もあるため、しっかりと洗ってから与えたり、与える野菜の保存状態には気を付けたりしながら、常に安心・安全な状態で与えてあげましょう。
まとめ
今回は、「うさぎに野菜を与えることはできるか？」「うさぎが食べても良い野菜・食べてはいけない野菜にはどのようなものがあるか？」について、ご紹介してきました。
人間と同じように、うさぎも常に同じものを食べていては、食べ飽きてしまうものです。
また、おやつやご褒美といった「特別な食べもの」を与えることは、うさぎと飼い主さんのコミュニケーションにも大いに役立ちます。
糖質の少ない野菜は果物に比べ、うさぎにとっても、とても良いおやつです。
しかしながら、いくら人間が食べられるからといって、うさぎも同じように食べられるわけではありません。
そのため、安心して与えることができるよう、飼い主さんが正しい知識をもつことは、とても大切です。
うさぎも飼い主さんも安心できるお気に入りの「野菜のおやつ」を是非、見つけてあげてください。
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