モルモットにバナナを与えても良い?
バナナは、モルモットに与えても良い果物のひとつです。
栄養価が高く、季節を問わず購入できるバナナは、飼い主さんにとっても「安心して与えられるおやつ」といえるでしょう。
モルモットのなかにも、バナナ好きな子は比較的多いようです。
喜んで食べてくれるバナナが、モルモットの健康によい影響を与えてくれれば、飼い主さんもさらに嬉しいですよね!
ここでは、バナナに含まれる栄養素を解説するとともに、モルモットにバナナを与えることのメリットについてもご紹介します。
◆バナナに含まれる栄養素
栄養価が高く、疲労回復効果や便秘の改善などが期待できる果物として知られる「バナナ」。
バナナには、主に炭水化物やたんぱく質、その他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維など、豊富な栄養素がバランスよく含まれています。
なお、バナナ1本(約100g)あたりで摂取できる主な栄養素は、次のとおりです。
▼バナナに含まれる主な栄養素(バナナ100g(93kcal))
栄養素 | 含有量 |
炭水化物(食物繊維) | 22.5g(1.1g) |
たんぱく質 | 1.1g |
脂質 | 0.2g |
ビタミンC | 16mg |
カリウム | 360mg |
鉄 | 0.3mg |
亜鉛 | 0.1mg |
バナナにも多く含まれている「ビタミンC」は、モルモットの血管や皮膚、粘膜、骨を作るために必要で、とても重要な栄養素のひとつといえます。
しかしながら、人間と同じように、モルモットは自分の体内でビタミンCを生成することができません。
そのため、バナナのようなビタミンCが豊富に含まれている食べ物などを摂取することで、不足したビタミンCを補ってあげる必要があります。
健康なモルモットが1日に必要とするビタミンCの量は、体重1kgあたり10mg~20mg程度といわれており、主食である牧草を中心に、ペレット・野菜・果物などといった「副菜」や「おやつ」とうまく組み合わせながら補ってあげるのがおすすめです。
バナナの与え方
不足しがちな栄養素を補ってあげる「副菜」や「おやつ」として、バナナはとても有効です。
しかしながら、誤った与え方によって、主食を食べてくれなくなってしまったり、下痢や体重増加などを起こし、かえって体調を崩してしまったりする可能性もあるため、注意しなくてはいけません。
では、モルモットに安心・安全にバナナを与えるには、どのようにしたら良いのでしょうか?
ここでは、モルモットへの正しいバナナの与え方についてご紹介していきます。
◆最適な量
モルモットにバナナを与える際、最も気を付けるべきポイントは「量」です。
モルモットの主食である「牧草」がいつも通り食べられるよう、適量を守って与えるようにしましょう。
主食である牧草は、モルモットの体調を整えるのに重要な役割を果たしており、モルモットにとってバナナは、あくまでも「副菜」や「おやつ」という位置づけです。
たとえ栄養素が豊富だからといって、バナナ中心の食生活にしたり、主食を食べなくなるほど与えたりしてはいけません。
また、バナナを与えすぎてしまうことで、モルモットが下痢を起こしてしまったり、肥満の原因になったりすることもあるため、注意してください。
一般的に、副菜やおやつにあたる「野菜」や「果物」などをモルモットに与える場合、1日あたりに与えるの量として「体重1㎏あたり6gくらい」が目安であるといわれています。
ただし、これは1日に与えて良いバナナの量ではなく、他のおやつも併せた量です。
与え過ぎは良くありません。モルモットの健康のためにも、きちんと最適な量を量って与えるようにしましょう。
◆常温で与える
バナナに限らず、モルモットに野菜や果物を与える場合は、基本的に「常温」で与えるようにしましょう。
冷たいバナナを与えてしまうと、胃腸が冷え、モルモットが下痢を起こしてしまう可能性があるため注意してください。
特に、バナナは、繊維質が多く含まれているため、下痢を起こしやすい食べ物でもあります。
モルモットのような小動物にとって、下痢は命に係わる可能性もある危険な症状のひとつです。
これらの理由から、モルモットに与えるバナナは、必ず常温のものにしましょう。
なお、モルモットにバナナ与える際に重要な、胃腸に悪い影響を与えないようにするためのポイントを次のようにまとめます。
◎常温で与える
◎新鮮なものを与えてあげること
◎余分な水分は与えないようにすること
モルモットにバナナを与える際は、これらの点に注意しましょう。
◆小さくカットする
モルモットにバナナを与える際は、小さくカットして与えてあげましょう。
モルモットに大きいままのバナナを与えてしまうと、のどに詰まらせてしまったり、消化不良を起こしてしまったりすることもあるので、注意してください。
また、バナナを小さくカットして与えることで、与え過ぎを防止したり、食べ残しによってケージ内の衛生環境が悪くならないようにしたりすることにもつながります。
なお、万が一、モルモットが劣化したバナナを食べてしまうと、下痢などの胃腸障害を起こす原因にもなるため、食べ残しなどで果肉が茶色くなってしまったバナナは、早めにケージから取り除くようにしましょう。
もちろん、モルモットに与えるバナナは、常に新鮮なものにしてあげてくださいね。
バナナの皮は食べれるの?
モルモットは、バナナの皮を食べます。与えても問題ありません。
むしろ、「バナナは皮のほうが好き!」というモルモットもいるようです。
ただし、モルモットにバナナの皮を与える場合には、次のような点に注意してください。
●農薬などの薬品が付着している可能性があるため表面をよく洗う
●水分の摂り過ぎを防ぐため洗った後の水分を拭き取ってあげる
もちろん、バナナの皮を与える場合も、新鮮なものであることが必須です。
また、果肉を与えるときと同様に、皮を与える際も、モルモットサイズに小さくカットしてあげるようにしましょう。
モルモットにバナナを与える際の注意点
人間と同様に、モルモットも美味しいものには目がありません。
モルモットが喜んで食べてくれると、どうしても、1回に与える量を多くしてしまったり、与える頻度を多くしてしまったりしがちになるのは、飼い主さんの性ともいえます。
しかしながら、モルモットの主食は、あくまでも「牧草」です。
くれぐれも、牧草を食べなくなってしまうほどバナナを与えすぎてしまったり、栄養が偏ってしまったり、飽きてしまったりするほどバナナを繰り返し与えたりすることは、絶対に避けましょう。
そもそも、モルモットは牧草を食べることで胃腸の働きを活発にしたり、伸び続ける歯を削ったりしています。
このように、モルモットが牧草を主食とするのには理由があり、健康に生活するためにも、繊維質の多い牧草をメインとした食事である必要があるのです。
モルモットにとって、バナナを多く取る食生活では必要な量の繊維質を摂取することができません。
万が一、繊維質の足りない食生活が続くと、消化器官の働きが悪くなり「うっ滞」と呼ばれるガスが溜まったり、消化管に内容物が詰まってしまったりする病気になってしまう可能性があります。
さらに、日々の食事のなかで歯削ることができないために「不正咬合」を発症したり、糖分で「虫歯」になってしまったりすることも考えられます。
モルモットの健康のためにも、バナナは「副菜」や「おやつ」として適量を守って与えましょう。
まとめ
今回は、モルモットにとって「バナナは食べて良い果物なのか?」、「正しい与え方は?」、「果実だけでなく、皮も与えて良いものなのか?」といった、モルモットとバナナの付き合い方についてご紹介してきました。
バナナ好きのモルモットは意外に多く、皮好きな子も多いといいます。
喜んで食べてくれると、どうしてもたくさんの量、たくさんの回数与えたくなってしまうものですが、たとえ栄養素が豊富なバナナとはいえ、必ずしも「美味しく食べる=健康になる」訳ではないということを理解しましょう。
どのような食べ物にも「適量」があり、過剰になると体調不良の原因にもなりかねません。
特に、モルモットのような体の小さな生きものたちは、少しの不調が生死にかかわる可能性があります。
ここでは、最低限守るべきポイントをお話ししました。
是非、おやつのバナナで、モルモットとよいコミュニケーションを取ってくださいね。
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