モルモットはどんな生き物?
モルモットは野生のテンジクネズミを品種改良して作られた為、実は野生には存在しない小動物です。
小さな耳と丸いお尻で全体的にずんぐりとした見た目が愛らしく、近年ではペットとして人気が高まっています。
品種によって短毛や巻毛など個性豊かな毛並みをしているため、お気に入りのモルモットを見つける楽しみもあるでしょう。
モルモットは草食のげっ歯類に分類されます。
モルモットの食事としては主食の牧草はもちろんのこと、栄養バランスを考えて新鮮な野菜や果物などの副食を与えることをおすすめします。
また、一生伸び続ける歯を削るために定期的に固めの牧草やかじり木を与えるのも大切です。
さらに、意外にもモルモットは鳴き声でコミュニケーションを取ることができます。
「キューキュー」という鳴き声は甘える時に出すと言われており、モル飼いさんなら絶対に聞きたい鳴き声のひとつです。
モルモットにはしっぽはない!
実はモルモットにはしっぽがないんです!
そのおかげでまんまるとした愛らしいおしりになるんですね。
高いところで暮らすネズミには細くて長いしっぽがあり、このしっぽで体重のバランスを測っていると言われています。
しかし、モルモットの原種であるテンジクネズミは「ネズミ」とつくものの、基本的に地面に掘った穴の中で暮らしており、高いところに行く習性がありませんでした。
体重のバランスをとるためのしっぽは必要なく、もともと長かったものがどんどん短くなっていったのではないかと考えられています。
モルモットにも尾椎と呼ばれるしっぽの骨はあるので、テンジクネズミがモルモットへと進化する中で最終的にしっぽ全体が退化してしまったと言われているのです。
動物にとってのしっぽの役割
先ほど、モルモットのしっぽは退化したとお伝えしました。
そもそも、しっぽは生き物が海の中で生きていた時代の「尾びれの名残」だと言われているのはご存じですか?
それなら全ての生き物にしっぽがあるのが自然ですが、モルモットのしっぽは退化してしまって平気なのでしょうか。
その謎を解くために、現代のしっぽの役割をみていきましょう。
・コミュニケーションを取る
犬は嬉しいときや興奮しているときにはしっぽを左右に大きく振り、不安なときや緊張しているときにはしっぽを垂れ下げます。
また、猫は警戒しているときにしっぽをたわしのように膨らませることで知られています。
しっぽには感情を表現してコミュニケーションを円滑にする役割があるのです。
・体のバランスを保つ
カンガルーはジャンプするとき、チーターは速く走るときなどにしっぽを上手に使います。
また、サルなら木から木へ移動するときにしっぽを器用に使うこともあるでしょう。
しっぽは体を動かすときにバランスを保つ役割もあるのです。
・虫をよける
ウシや馬、ライオンなどの大型動物によくみられるのが、しっぽで虫を追い払うようなしぐさです。
動物のにおいに誘われてやってくる虫は病気や感染症の原因となる場合があり、しっぽを振り回すことで危険を回避していると考えられます。
しっぽは人間の手のような役割も果たすのです。
・体温を保つ
リスやキツネのふわふわしたしっぽを見たことがあるでしょうか。
身体にも負けないほど大きなしっぽは空気を含む構造をしていて暖かく、リスやキツネの体温を保つ役割を担っています。
このように、しっぽにはさまざまな役割があります。
しっぽのない生き物は珍しいとはいえ、わたしたち人間もそのうちのひとつです。
人間に置き換えると現代のしっぽの役割はすべて他で補うことができるので、しっぽが退化してしまったのも頷けますよね。
モルモットも同様にしっぽがなくても問題なく生きられる動物なのです。
モルモットとハムスターの違い
「ふわふわした小動物」というイメージから混同されやすいモルモットとハムスターですが、そもそも原産地から異なる全く別の動物です。
一般的にモルモットは南米ペルー、ハムスターは南シベリアや中国北東部に起源があると言われています。
異なる地で生まれた2種類の小動物には他にどんな違いがあるのでしょうか。
ここで詳しくご紹介しますので、ぜひ両者を区別できるようになってくださいね!
◆大きさの違い
まず、ハムスターとモルモットは大きさが全く違います。
ハムスターの大きさは種類によって異なるものの、体長6〜20cm程度、体重20〜200g程度が一般的です。
一方、モルモットは体長20〜40cm程度、体重800g〜1kg程度とハムスターの2倍以上の大きさをしています。
モルモットの種類によっては体重が2kgを超えることもあるそうです。
これだけ大きさが違うなら、見た目で間違えることはありませんね。
ただし「モルモット=ハムスターの大きいやつ」という認識は不正解なので注意しましょう。
両者はそもそも全く異なる動物なので、大きさの違いだけで判断してはいけません。
◆夜行性と昼行性
つぎに、ハムスターとモルモットは生活リズムが異なります。
長年ペットとして人気のハムスターが夜行性なのは有名ですよね。
ハムスターは飼い主さんが活動する昼間には丸くなって眠っていますが、夜になると回し車を一生懸命回したり、ケージ内の色んなものをかじったりと元気に動き回ります。
ハムスターの身体は小さいですが、回し車やケージの素材によってはこの活動が騒音となり、飼い主さんの睡眠を妨げてしまう恐れがあるため注意してください。
対するモルモットは昼行性で飼い主さんと同じリズムで生活します。
飼い主さんとのコミュニケーションが取りやすいのは大きなメリットです。
一方で、お仕事や学校など、日中に家を空ける用事がある方はモルモットが退屈したり、寂しい思いをしたりしないよう工夫が必要でしょう。
◆頬袋の有無
ハムスターといえば、ひまわりの種などのエサを頬袋に貯めて、ほっぺたをパンパンに膨らませている姿が浮かびませんか?
しかし、モルモットにはほっぺたが膨らむイメージはありません。
それもそのはず、モルモットには頬袋という器官そのものがありません。
そのため、モルモットにはハムスターのようにエサを貯めておく習性もなく、その場で欲しい分だけ食事をします。
一方ハムスターは頬袋にエサを貯めて安全な場所まで持っていき、少しずつ食事をします。
モルモットとハムスターは食べ方も全く異なるといえるでしょう。
◆しっぽの有無
先述の通り、モルモットにはしっぽがありません。
対するハムスターは、あまり目立たないものの小さなしっぽを持っています。
モルモット同様ハムスターも高所に行くことはほとんどありませんが、すばしっこく動き回るので身体のバランスを保つのにしっぽが必要なのでしょう。
ハムスターのしっぽはネズミのしっぽのように元々長かったものが、役割が不要になるにつれてだんだんと退化していったのだと考えられています。
現在はまだ残っているハムスターのしっぽもいつか進化の過程で完全に退化してしまうことがあるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではモルモットのしっぽやハムスターとの違いについて徹底解説しました。
モルモットにはしっぽがないことに気づいていたでしょうか。
また、動物のしっぽには様々な役割があると初めて知った方も少なくないはずです。
これから動物と触れ合う時には、ぜひしっぽにも注目してみてはいかがでしょうか。
そして「モルモット=ハムスターの大きいやつ」と認識していた人は両者の違いの多さに驚いたことでしょう。
この記事を参考にして、これからはハムスターとモルモットをしっかりと区別し、その違いを周りの人にも教えてあげてくださいね。
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